ep.21 ページ21
その後、イガグリはトレーニングに向かってしまったので
潔、黒名、私はなんとなく廊下に突っ立ってお互いの顔を見合わせた。
『そういや、雪宮はクリスとCM撮影してるらしいね』
「CM、CM
Aも呼ばれてたんだろ」
『クリスが勝手にキャスティングしようとしてたけど断った』
黒名は私の腕に絡みついて、楽しそうな顔を向ける。
弟がいたらこんな感じなんだろうなーと、ほのぼのした雰囲気が私たちを包んだ。
「次はイタリア戦か」
『馬狼、愛空、オシャさん、二子あたりね』
「一億、一億」
黒名が楽しそうにそんなことを言った。
そういえば馬狼はこないだで一億の値段が付いてたっけ。
『潔は5000万だし黒名は2400万だからめちゃめちゃ稼ぎ頭だね』
「Aさんも自分の店持ってるし稼いでるだろ？」
『スポンサーがついてるし、私の好きにできる店じゃないよ。どちらかといえば私はお飾り。天才高校生料理人っていうキャッチーな客寄せパンダだよ』
「複雑な界隈だな」
料理人もそうだけどサッカー選手も人気商売だ。
確かな仕事と人気とメディア操作はいつの時代も付きまとう。
『人気商売だからね。知ってもらえないと食べてもらえない。悔しいけど、そうなんだよ。』
「勉強になります、先輩」
2人ともははーと土下座するふりをしてなんだかおかしくて
また笑ってしまった。
『メディアとは仲良くしておくべきだよ
自分の有利になる記事を書いてもらえる。
私が教えられるのってこれくらいだけれど』
「Aはいつから料理してんの」
『初めて包丁を握ったのが4歳くらいだったかな』
ーー
「包丁を握ってみなさい。A」
『はい、父様』
AAは月城グループ宗家の一人娘でした。
日本と世界に飲食店や、食品メーカーの会社を持っている
日本でも有数の名家だ。
常に気高く常にトップで居続けること
これは絶対だった。
「見てごらんなさい、A様のあの髪色...」
「ほんっと卑しい。あの化け狸そっくりの真っ黒な髪の毛。」
トントン、トントン
目の前の食材を切り刻んでいく。常に気高く。常に気高く。
ああ、父様の赤茶色の髪の毛はとても柔らかそうだ。
母様の髪の毛はとても綺麗な金色だ。
どうして私はこんなに黒い髪の毛なんだろう。
誰にも似てない髪色と、誰にも似てない私の顔。
「全然ダメだな。やはりお前は才能がない」
ねえ待って父様。私もっと頑張るから。
だから見捨てないで、父様
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きゅんた(プロフ) - たるとさん» 初コメありがとうございます〜！誤字ってますね〜！指摘ありがとうございます♡主人公総受けなんでまだまだ関係拗れていったらいいなあ〜！！！ (2023年1月30日 2時) (
レス) @page17 id: 7cf9bc3205 (このIDを非表示/違反報告)
たると(プロフ) - 初コメ失礼します！！いつも楽しく読ませてもらってます！！玲王との展開も楽しみですしカイザーとの関係最高すぎます〜！！あと少し気になってしまったのですがティラピスじゃなくてピラティスな気がします！！細かくてすみません汗 (2023年1月30日 1時) (レス) @page17 id: 33239378f6 (このIDを非表示/違反報告)
きゅんた(プロフ) - まるさん» 報告ありがとうございます〜！外しました！ (2023年1月28日 13時) (レス) id: 7cf9bc3205 (このIDを非表示/違反報告)
まる(プロフ) - オリ‘フラ立ってますよ！ (2023年1月28日 7時) (レス) @page1 id: d16c4af477 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：きゅんた | 作成日時：2023年1月21日 22時
