いたずら心 ページ38
「さて安室さんっ」
「は、はい?」
勢いよく振り返って、髪がシャナリ。動いたのがわかった。
「なぜわたしがこんな話をしたか、わかります?」
いたずらするみたいでちょっと楽しくなってしまって、意識せずとも顔が笑ってしまう。自然体だからいいんだけど。
安室さんはこの展開についてこれてないのか、目をぱちくりとさせていた。
「…はい?」
「わたし、この話は今まで誰にもしたことが無かったんです。ずっと…秘密、にしてたんです」
秘密、という言葉が強調されるように、わざとゆっくり話す。
______あなたの秘密が知りたい、と遠回しに伝わるように。
やっぱり彼は聡い。その意味を理解したらしく、眉を顰めてしまった。
やっぱりだめだよね。知り合って少ししか経ってない人に自分の秘密を教えるだなんて。
でもその顔は、心当たりがあるってことか。
「…すみません、今の話は、」
「宮日さん」
わたしを遮った声は存外冷たく聞こえて、思わず背筋がピンと伸びる。
「今日ここで話したこと、起こったこと、会ったことも、全部忘れてください」
深刻そうに、彼はそう言った。
今度はわたしがついていけなかった。
そんなに隠したいことなのだろうか、彼のもう一つの顔は。
でも、個人的な事情に無理やり踏み込むようなことはしたくない。
時期が早かったと思って、またいつか出直そう。
そう思って口を開きかけ…
「…うぅっ…」
…もう1人、店内にいることをすっかり忘れていた。
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緑那(プロフ) - 三日月涼風さん» いーえどうかお気になさらず^^ (2018年5月12日 12時) (レス) id: 3c1948d3a1 (このIDを非表示/違反報告)
三日月涼風(プロフ) - 緑那さん» そうなんですね!お恥ずかしい(笑) (2018年5月11日 3時) (レス) id: 089d604416 (このIDを非表示/違反報告)
緑那(プロフ) - 三日月涼風さん» ひえええありがとうございます嬉しい!!なるべくはやく更新できるようにしますね!実は設定のとこの古谷はCVの方の古谷なんです…零じゃなくて徹なんですよ… (2018年5月10日 22時) (レス) id: 3c1948d3a1 (このIDを非表示/違反報告)
三日月涼風(プロフ) - 今日作品拝見させていただきました!ものすごい続きが気になります!最初の、設定のところの古谷ではなく降谷ではないでしょうか? (2018年5月10日 0時) (レス) id: 089d604416 (このIDを非表示/違反報告)
緑那(プロフ) - 美空さん» 実はわたしの夢主、自分の性格をピックアップしてちょっと改良した子がほとんどで、この人もそうなんです。つまりわたしも他人と話すのがとても苦手なんですよ…仲間ですね('ω') この小説最近手詰まってきちゃったので、そう言って頂けるととてもありがたいです。 (2017年9月7日 21時) (レス) id: 3c1948d3a1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:緑那 | 作成日時:2017年4月21日 7時