遊園地フォーリンラブ2 ページ17
Aside
午前中絶叫系マシンに乗り続けた私たちはそろそろご飯にしようか、ということでご飯を探すことにした。すぐに決まるかと思ったけど想像以上に沢山のレストランやキッチンカーがあって色々と迷ってしまう。それに、ご飯のことで私は少しだけ気にしていることがあった。
「大谷さんは、何か食べたいものありますか？糖質とか、気にしてますよね？」
恐る恐るに聞いた私に大谷さんは一瞬びっくりした顔をしてそれから大きく首を振った。
『次の登板は4日後でそれまでは練習だから一食位調節できるし全く問題ないよ！そんなこと気にしないで、宮野さんが食べたいもの選んでよ！俺もそれ一緒に食べたい。せっかくのデートなんだし、気遣わないで！』
「デート…、」
彼はいつも通り凄く優しかったけど、彼の口から出た衝撃発言を思わず繰り返してしまう。やっぱりこれ、デートなんだ。どうしよう、それを意識したら急に心拍数が上がった気がする。
『あれ、デートじゃいやだった？』
「そんな！！大谷さんとデートなんて、私、嬉しいけど緊張してきちゃいました、」
『今日ずっと一緒にいたのに？！はは、宮野さん変なの。ほら、何食べたい？』
結局、気になっていたキッチンカーのハワイ風アサイーボウルを食べることにした。彼もいっしょに来ると言ってきかなかったけど、人気なお店で人が多かったので私だけでテイクアウトを買いに行くことにして、彼には人の少ないベンチで待ってもらった。
『じゃあ、絶対にこのカード使って！絶対！』
「自分の分は自分で払えます！バイトしてるし！」
『え、バイト？！俺その話知らないよ！』
「本屋でしてます！」
『それ後で詳しく聞かせてよ、とにかく学生は大人しく奢られて！』
そう言って無理やり渡されたブラックカードに顔を引きつらせてしまったのは許してほしい。このカードにいくら入っているのか想像するだけでとてつもない責任感と緊張感が体を襲うのだ。
『うおー、俺アサイーボウル初めて食べた！今日みたいな暑い日にぴったりだね！さっぱり！』
「そうなんです！私大学の卒業旅行でハワイに行った時初めて食べてハマっちゃって！」
『ハワイ？やっぱ宮野さん海外経験豊富だね！ね、もっと色々聞かせてよ。俺、もっと宮野さんの話聞きたい！』
スプーンでバナナを満面の笑みで頬張る彼を見て、ガシャリと気持ちをせき止めて居た何かが崩れる音がした。
あー、どうしよう。私、大谷さんが好きだ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 807人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
みび - 続きが気になります！ (9月8日 23時) (
レス) id: 4e8c4ab155 (このIDを非表示/違反報告)
るう(プロフ) - miya381117さん» コメントありがとうございます！頑張ります！ (6月4日 16時) (レス) @page30 id: dfa5704a4e (このIDを非表示/違反報告)
miya381117(プロフ) - 続きが気になりすぎて眠れない^ ^翔平行けー！ (6月1日 21時) (レス) @page29 id: e8bd8eef5b (このIDを非表示/違反報告)
るう(プロフ) - 桐山めぐさん» コメントありがとうございます！そう言っていただけてすごくうれしいです！！投稿頑張ります！ (6月1日 17時) (レス) @page29 id: dfa5704a4e (このIDを非表示/違反報告)
桐山めぐ(プロフ) - こんにちは！このお話めちゃくちゃ面白いです♪大谷さん 主人公ちゃんに連絡出来ない日々を耐えてやっと会えると思ったのに、、主人公ちゃんに何もありませんように祈ります(T_T)続きも楽しみにしてます！応援してます♪♪ (6月1日 17時) (レス) @page29 id: bb3023c008 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：るう | 作成日時：2023年5月26日 15時
