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氷の妖精 ページ11

Ohtani side

あれは、俺が中学校に入学して初めての冬の出来事だった。小学3年生から始めた野球にリトルリーグに入ってから更に熱を入れ始めた時期。オフシーズンに入り公式戦が減ったと同時に土日の練習も軽いものになっていた。

「翔平、明日の午後から練習ないよね?」

普段野球も勉強も全く口出ししてこない母、休みも好きなように過ごしなさいと一緒に出掛けることも昔に比べると少なくなっていたから、俺はちょっと驚いたのを覚えている。

『予定は何もないよ。なんで?』

「お母さん、拓斗君とこの妹ちゃんが習い事のスケートの県大会に出るらしくてね、それを見に行く予定なの。お父さん仕事でこれなくなっちゃって1席余ってるから来てみない?普段野球漬けでほかのスポーツじっくり見る事なんてないしいい機会だと思うんだけど」

『スケート…。』

当時の俺には縁もゆかりもない競技だった。冬のスポーツでかなり人気なのは知っていたし有名な選手も認識はしていたけど、滑って踊るなんて未知の領域だった。拓斗は幼稚園からの幼馴染だったしあいつがいるなら、なんて、本当にただの気まぐれだった。

***

拓斗の妹はまだ7歳でノービスBという一番小さい子たちが入るクラスにも満たない年齢の区分にいた。所謂発表会みたいな雰囲気だったけど、自分よりも小さな子が一生懸命滑っている姿は可愛らしいななんて偉そうなことを考えていた。でも、ある少女が、俺の心を奪い取った。

宮野A

鮮明に覚えている。彼女の名前がコールされたとき会場はざわつき、多くの観客が「あの子が岩手の神童だよ、、」とこそこそ話していた。

彼女の演技はまるで魔法みたいだった。
顔立ちはまだあどけなかったけど、1つ1つのポジションの曲線美や華やかさ、彼女が宙に舞った時、まるで時間が止まったみたいに綺麗だった。
たった3分ほどの演技で、たった7歳の女の子の舞に俺は魅了されてしまったんだ。

あの日のことが忘れられないまま俺は密かに彼女のファンになった。あの試合から1年もたたないうちに彼女は全国大会で1位をとった。さすが俺のアイドル!なんて馬鹿みたいに喜んだのも覚えてる。

でも、彼女は突然表舞台から姿を消した。
大きな災害があった後だった。俺は、もしかしたら彼女は、なんて最悪の事態も考えていた。

時間がたつにつれ彼女の事を考える余裕も時間も無くなって忘れてしまっていた。

でも、

目の前にいる彼女は、多分紛れもなく

俺の初恋だった。

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みび - 続きが気になります! (9月8日 23時) (レス) id: 4e8c4ab155 (このIDを非表示/違反報告)
るう(プロフ) - miya381117さん» コメントありがとうございます!頑張ります! (6月4日 16時) (レス) @page30 id: dfa5704a4e (このIDを非表示/違反報告)
miya381117(プロフ) - 続きが気になりすぎて眠れない^ ^翔平行けー! (6月1日 21時) (レス) @page29 id: e8bd8eef5b (このIDを非表示/違反報告)
るう(プロフ) - 桐山めぐさん» コメントありがとうございます!そう言っていただけてすごくうれしいです!!投稿頑張ります! (6月1日 17時) (レス) @page29 id: dfa5704a4e (このIDを非表示/違反報告)
桐山めぐ(プロフ) - こんにちは!このお話めちゃくちゃ面白いです♪大谷さん 主人公ちゃんに連絡出来ない日々を耐えてやっと会えると思ったのに、、主人公ちゃんに何もありませんように祈ります(T_T)続きも楽しみにしてます!応援してます♪♪ (6月1日 17時) (レス) @page29 id: bb3023c008 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:るう | 作成日時:2023年5月26日 15時

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