【マフィア松】初めての家族 (ページ8)

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｢よーし、じゃあAは俺たちの妹な！俺たちのことは兄さんと呼ぶがいい！｣

鼻の下を人差し指で擦りながらおそ松が言う。

｢おそ松兄さん｣

兄さん、家族のいない私にとってその響きは何より嬉しかった。

｢カラ松兄さん｣

順に名前を呼ぶ。

｢チョロ松兄さん｣

だめだ、また泣いてしまう。

｢一松兄さん｣

視界がぼやける。

｢十四松兄さん｣

涙が零れてくる。

｢トド松兄さん…｣

ぽろぽろと溢れる涙を止めることが出来ない。
ここに来てから、今まで溜まっていた涙が全部流れていくようだ。

ありがとう、ありがとうと感謝の言葉を告げる私にずっと着いていてくれた兄さん達。この人たちと今後生活出来る。一緒に生きていける。
そう思うとまた涙が溢れそうになったが、なんとか我慢して｢もう大丈夫、ありがとう｣と告げる。

夜、兄さん達とは違う部屋に布団を敷いてもらった。
布団に入り目を閉じる。今日、私に家族ができた。

私が産まれる前に死んでしまったお父さん。

私が産まれた日に死んでしまったお母さん。

…教会で残ったご飯を床に撒き散らして餌だと言ったシスター。

教育と言って五歳の子供に銃を持たせたくそ野郎。

私にとって、初めての家族が出来ました。