第315話 誘拐 ページ4
『…ごめん、みんな。僕は少し用事があるから先に帰って』
夕食が終わり、みんなで帰ろうとした時、僕は言う。
「え?なんで?」
『さっきも言ったように少し用事が出来た。もし帰ってこなかったら僕はロシアに居る知り合いの家に泊まってるよ!』
そう言って僕は皆と離れた。
『…苦し紛れな言い訳だな…さっきの…』
そう呟きながら人目のない所へ行く。
『僕に何か用?フーくん』
そう言って自分の後ろを見る。コツコツと歩く音。そして月の光に照らされる顔。
「流石Aだね」
『…なんのつもりなの?フーくん』
「ねぇA。俺達のところに来ない?」
『ごめんね…。行かないよ…。だって…イナズマジャパンが僕の居場所なんだから』
「…そっか…Aはまだ何も知らないんだね…」
『…何が言いたいの…?フーくん』
「イナズマジャパンより俺達の方がAのことを知ってるよ?Aの知らないAのことまで」
『…僕の知らない僕のことまで…?』
「そうだよ」
『(なんだろう…僕の知らない僕のことって…)』
「……ごめんね?少し手荒な真似になるけど…」
そう言ってフーくんは指を鳴らす。
『なっ!』
すると僕は黒い服の人達に捕まる。
『フーくん!これは何っ!』
「ごめんね、A。イナズマジャパンに言ったよね、今日、帰らなかったらロシアに居る知り合いの家に泊まってるって。それじゃあ行こう?俺の家に」
そう言って僕はフーくんの家に連れていかれる。
.
『…なんのつもり?フーくん…』
車の中で僕はフーくんを睨む。
「そんなに睨まないでよ。」
『ストーカーされたと思ったら突然誘拐まがいなことをされると誰だって睨むと思うけど?』
「前と比べて少し俺に対する当たりが強くなってない?」
『フーくんのその行いのせいだよ』
「俺が何をした?」
『僕を誘拐した』
「誘拐はしてないよ?」
『無理矢理連れていくってそれ誘拐だからね?』
「まぁ、否定はしない」
『それで?目的は?もしかしてこのまま僕をイナズマジャパンに返さないつもり?』
「違うよ。ただ、次の試合は出てもらわなくていい。俺も試合観戦してよ?」
『……スペインか……。別にいいよ。スペインは僕は行かない方が試合が白熱するからね』
「やったー!A大好き!」
そう言って僕に抱きつく。
『うわっ?!ここ車の中だよ!それと苦し…!』
もう運転手さんが苦笑い!
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霧雨煙雨/月夜(プロフ) - スイジュさん» こんばんは、霧雨です。俺らのイレブンの小説について話したいので、咲夜さんの方へ行って頂いても宜しいですか…? (2020年3月17日 20時) (レス) id: 51bb19e87e (このIDを非表示/違反報告)
スイジュ(プロフ) - カイコクさん» ありがとうございます! (2019年8月31日 20時) (レス) id: 17b91e6418 (このIDを非表示/違反報告)
カイコク - 更新がんばってください (2019年8月31日 17時) (レス) id: 017245dda0 (このIDを非表示/違反報告)
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