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File47。「ないふさとりーぬ」(さとりーぬ) ページ47

ゆるゆると立ち上がって昇降口まで戻る。

「__…莉犬?」
「、!」

靴に足を滑らせたと同時に後ろから声をかけられる。

「…さとちゃん」

振り向いて、相手の名前を呟くと「今から帰んの?」と聞かれたのでこくりと頷く。

「じゃ、一緒に帰ろ」
「え、」

出来れば1人がいいんだけど、と言おうと思ったが怪しまれるのも嫌なので頷くことにした。2人で並んで校門を出る。

「てか遅いけど、何してたの」
「あー…えっと、まあ、色々?」
「…色々って?」
「え、普通それ聞く?」
「聞いて欲しそうな顔してっから。どした?」
「…」

さとちゃんなら、と小さく口を開く。

「……フラれ、ちゃった」

気づけば笑みを貼り付けてしまっていた。

「…他に好きな人、出来たんだって」

はは、と乾いた笑い声が漏れる。
何か励ましてくれるか,「無理して笑うな」みたいなことを言われると思っていたのに、

「…は、」

さとちゃんはそう言って足を止めた。

「…うん。別れちゃった」

自分の唇に触れてみる。強く噛みすぎたせいか、血が出ていた。

「……莉犬」

さとちゃんが俺の名前を呼んだので、さとちゃんの方へ顔を向ける。
唇に何かが触れた。自分の指とは違う感触。
さっきと違って、軽く触れるだけのもの。

「…ぇ」

さとちゃんは俺の手を取る。
やっぱりさっきとは違って、優しく包み込むように。

「ごめん、でも、もう無理だわ」
「こんな時に、付け入るみたいになるけど」

さっきと違う、俺を守ってくれる「ごめん」。
俺が好きないふくんと、正反対なさとちゃんなのに。

「俺は,莉犬のこと、捨てたりしない。」

つ、と涙が頬を伝う感触がした。

「っでも、俺は、」
「今は、あいつのこと好きでもいいから」

さとちゃんの表情が焦っている。
そうか、さとちゃんも、本気で。

「……ぎゅって、して」
「え、?」
「っぎゅって、して、さとちゃん…」

さとちゃんは戸惑いつつ、優しく抱きしめてくれた。
ああ確か、いふくんに言った時はしてくれなかったな。なんで俺からせなあかんの、とか言って笑って、腕を広げて待っているだけだった。抱きつきにいくと潰れるんじゃないかと思うほど強く抱きしめられて、苦しいよと笑って身をよじると、首やら顔やらにキスを落としてきたいふくん。
ぽん、と頭を撫でてくれるさとちゃんとはやっぱり違って。
だから、ぎゅうぅ、と俺から強くさとちゃんを抱きしめて顔を埋めた。

「…うん。いいよ。付き合お」

ー❤︎ー

続きます。

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兎和 - わ……白黒最高すぎる…ありがてぇ… (4月17日 22時) (レス) id: 8407209a34 (このIDを非表示/違反報告)
うさうさ - 狐雪すぅ。さん» リクエストありがとうございます!!頑張ってみますଘ₍♡̷ᐢ⸝⸝•༝•⸝⸝ᐢ₎੭̸‧˚ (4月10日 15時) (レス) id: 18a1ea9563 (このIDを非表示/違反報告)
うさうさ - 兎和さん» まじすか!?!?名前似てたの申し訳ない……。コメントありがとうございます!! (4月10日 15時) (レス) id: 18a1ea9563 (このIDを非表示/違反報告)
狐雪すぅ。 - 面白い白黒ありがたいのだが病み系すきだしこういう書き方好き。リク:しょうちゃん病みもっかいお願いします… (4月7日 10時) (レス) @page39 id: b6852b2992 (このIDを非表示/違反報告)
兎和 - 初めましてー!作品名がリア友のあだ名と似てたから見にきました!白黒組ありがてぇ… (4月4日 15時) (レス) @page34 id: 8407209a34 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:うさうさ | 作成日時:2023年7月9日 20時

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