File37。『初兎くん』(さとみくん×初兎くん) ページ37
「なーさとちゃん？」
「ん？」
「ぎゅってしよ」
「んー」
僕が抱き締めたって、抱き締め返してはくれない。
僕がどれだけ愛したって、さとちゃんは僕を愛してくれない。
ーーーーーーーーーー
「なーさとちゃん」
「んー？」
「僕のこと好き？」
そう聞くと大抵さとちゃんは、
「んー…」
と少し迷った様なフリをする。
それでこっちを見て少し笑って、結局何も言わずに僕にキスをする。
「…」
何も言えない僕が悪い。
きっときっと、全部僕が悪くて。
ーーーーーーーーーー
「なーさとちゃ＿」
「あ、ごめん今日用事あんだわ」
「ぁ…」
「？、何」
「や、別に…。えっと、早く帰って来て、」
「ん、わかった」
こちらを見もせずに家を出た。
さとちゃんがああ言う時は、大抵帰ってこない。
「…今日、僕の誕生日…」
さっき言いかけた言葉を、1人になった部屋で小さく呟く。
別に何ともない。いつものことで、泣いたりしない。
僕はもう、強くなった…。
「弱かったら、守ってくれるんかな…」
なんて。
ーーーーーーーーーー
「ただいまー」
「!!」
「おかえりさとちゃん、今日帰ってくんの早＿」
「ん」
駆け寄ると、急にぐいっと腕を引かれた。
唐突なキスに目を見開く。
しかもさとちゃんが中々離れない。
「…？さとちゃん、？」
「ん、出来た」
「？？何が？」
さとちゃんが何かを手に取る。
＿ネックレス。
「…ぇ、これ…」
「誕プレ。今日誕生日でしょ？」
「知って…忘れ、られてんのかと…思っ…ッ」
ぼろ、と涙が溢れた。
さとちゃんの前なのに。泣いちゃ駄目なのに。
「あ"ーも…泣くなって…」
困った様に笑うさとちゃん。
「だって、さとちゃ……ｯもう僕のことなんかっ、好きじゃなぃ…ｯ」
「……はあ？何でそうなんだよ」
「だって…ｯ」
「…好きでもないやつと付き合う訳ないじゃん」
視線を彷徨わせると、さとちゃんは僕の方を見て言う。
「一回好きって言うと、なんか…止めらんない気がして…？」
ごめんな、と言いながら僕の頭を撫でるさとちゃん。
「んーん、さとちゃんは悪くな…っ」
「…なぁ初兎」
「！…ん、？」
「誕生日おめでと。」
「＿好きだよ」
「っ…僕も好き！！」
ーーーーーーーーーー
お誕生日おめでとうございます。
シリアスになるのをグッと堪えました。
リクエストください。
File38。『なつくん』（なつこさ）→←File36。「いるらん」��
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 7人がお気に入り
「すとぷり」関連の作品
この作品が参加のイベント ( イベント作成 )
この作品が参加のイベント 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
兎和 - わ……白黒最高すぎる…ありがてぇ… (4月17日 22時) (
レス) id: 8407209a34 (このIDを非表示/違反報告)
うさうさ - 狐雪すぅ。さん» リクエストありがとうございます！！頑張ってみますଘ₍♡̷ᐢ⸝⸝•༝•⸝⸝ᐢ₎੭̸‧˚ (4月10日 15時) (レス) id: 18a1ea9563 (このIDを非表示/違反報告)
うさうさ - 兎和さん» まじすか！？！？名前似てたの申し訳ない……。コメントありがとうございます！！ (4月10日 15時) (レス) id: 18a1ea9563 (このIDを非表示/違反報告)
狐雪すぅ。 - 面白い白黒ありがたいのだが病み系すきだしこういう書き方好き。リク：しょうちゃん病みもっかいお願いします… (4月7日 10時) (レス) @page39 id: b6852b2992 (このIDを非表示/違反報告)
兎和 - 初めましてー!作品名がリア友のあだ名と似てたから見にきました!白黒組ありがてぇ… (4月4日 15時) (レス) @page34 id: 8407209a34 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：うさうさ | 作成日時：2023年7月9日 20時
