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随分 ページ10

成宮鳴side

「随分長電話だったな、坊や。…女か?」

「五月蝿いよ。カルロスには関係ないでしょ」


俺がそう言うとカルロスは「坊やはヘタレだからなぁ。春が来るかどうか心配だ」と言った。…本当に大きなお世話なんだけど。

春、か。俺だって春が来てほしいって思ってるよ。ま、俺が望む春は“市春”の方だけど。


「何、ニヤニヤしてんの。気持ち悪い」

「うっせー、白河」


市春の事を思い出してついついニヤケてたらそれを白河に見られてたらしい。指摘された。


「おー、今好きな女の事を考えてただろ」

「だから五月蝿いってば!!」


カルロスがニヤニヤとした顔で俺に指を指してからかう。


「好きな女いるの?」


どうやら、白河も以外と乗り気らしくカルロスと俺をからかって来る。

昔、一緒に撮った市春の写真を眺める。市春の事を好きか?と聞かれると俺は迷わず頷くね。アイツ、容姿だけはいいし。


「へぇー、こいつが坊やの好きな女か」

「やっぱ、鳴が好きになるだけあって顔、整ってるね」


いつの間にか俺の手の上にあったスマホはカルロスに取られており、昔市春と一緒に撮った写真を見られた。


「てか、市春の事好きになっちゃダメだからね!」

「へぇ、こいつ市春って名前なのか」

「うぐっ!」


名前は教えないどこうと思ってたのに!くそっやらかした!!


「まあ俺達は好きにならねぇよ。もっと大人な女に俺は恋したいね」

「好きになることはない」


「で、いつ告るんだよ」カルロスがニヤニヤとした顔をしながら言う。俺は、カルロスからかってスマホを取り返して言った。


()うつもりなんてないよ。俺は」

「はあ!?何でだよ!!」


だって、アイツ俺のこと男として見てねぇもん。それにいい雰囲気になったこともないし。友達も以上親友未満みたいな感じなんだよね、俺達って。

しかもそれが以外に心地いから嫌なんだ。なんと言うか…ハマっちゃいけない沼に両足を突っ込んだ感じって言うの?嫌だよね、こう言うの。


「こいつ今、高校生なんだろ?稲実か?」

「違うよ、青道。俺だって何回も誘ったよ。けれど、兄貴とどうしても同じ高校に行きたいってさ。結局ぅ、受かっちゃった訳だしぃ!?」

「「(拗ねた……)」」


青道落ちて、稲実来ればいいって何回も思ったよ!神頼みしたよ!けれど、結局受かっちゃったし、あっちも楽しそうだし仕方がないけどさ。

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作者名:フ瑠ラン | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2018年7月2日 20時

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