テスト ページ23
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テスト結果は上々で機嫌がよかった。どうやらそれは栄純君も同じようだった。
「テストどうだった?」
春市君が聞いてきたので私は満面の笑みで「ばっちし!!」と言う。すると春市君は顔を赤くて「そうなんだ、よかったね」と言った。
私は春市君の言葉に強く頷く。すると、隣から凄いオーラが漂ってきた。横を向くと降谷君が立っていて春市君が「降谷君はどうだった?」と聞いていた。
「…追試……」
そう呟くと現実を見ないようにするためか、目を瞑り眠り始める降谷君。春市君はそれを見て「現実逃避はダメだよ降谷君」と言っていた。
取り敢えず、追試にならずに済んだものだからテンションマックスの私は、今日部活がないことをいいことに春市君の手を取り走り出した。
「えっ、ちょっ、何…!?」
「お礼だよ!お・れ・い!!」
私がそう叫ぶと「えっ、今から!?」何て言葉が聞こえる。
「時間なんて気にしなーい、気にしなーい!!」
「気にしないとダメでしょ!結城さんは女の子何だから……」
春市君に女の子扱いされていることに少し嬉しく思いながらも「そんな遅い時間でもないし一、二時間だけ!」と駄々をこねながら走った。
……何で春市君に女の子扱いされたことが嬉しいんだろう?
どうやら鈍い私は自分の心に気づいてないみたいです。
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