勉強 ページ21
＊
「ねぇ、市春。もうすぐテストだけど勉強してる？」
とある部活終わり。帰宅しようとしていた所に私を見つけた介さんが言った。
「テスト？いつ？」
「４日後」
「…………」
介さんの言葉を聞いて私は顔を真っ青にする。それを見た介さんは「沢村達と同じ反応するね。同種じゃない？」と言ってくる。
そんな事はどうでもいい。ヤバい、ヤバいよ。勉強なんて全くもってしてない！青道にそもそも受かったこと事態奇跡に凄いんだ！死にもの狂いで勉強して滑り止めだったのに！
「す、介さん勉強教えて！！」
「嫌だ」
「何で！！」
私が聞くと介さんは「俺は純に勉強教えないといけないの」と言った。…仕方がない。兄貴に教えて……
「哲は増子に勉強教えるって言ってたよ」
「マジかよ！！」
どうしよう。頼みの綱が居なくなった！栄純君に教えて貰うか……？いや、あの人は明らかに勉強が出来ないタイプだぞ……。
降谷君なら勉強出来そうな顔してるし、降谷君に勉強教えてもらおうかな！そうとなれば明日頼んでみよう！
「降谷君！勉強教えて！！」
次の日。席に座って窓の外を眺めている降谷君に私は教科書を差し出して言った。
「勉強……？」
「ほら、昨日監督が言ってたよ。４日後にテストがあるって」
隣にいた春市君が言うと降谷君の顔が真っ青になっていく。
「何それ。聞いてない……」
「えっ、もうしかして勉強出来ないタイプ…？」
恐る恐る聞くと降谷君はコクンと頷く。
「何でだよォォ！！勉強出来そうな顔してるじゃん！その顔詐欺だよォォオオ！！」
希望を失った私は降谷君の顔を指差して叫ぶ。勉強出来そうな顔して出来ない降谷君が悪い！！
「勉強？良ければ僕が教えようか？」
「本当！！嬉しい！ありがとう春市君！！」
ポリポリと恥ずかしそうに言う春市君の両手を掴みブンブンと握手しながら私は言う。
仏、仏が現れた。もう死んでもいいかも……。
「流石に死んじゃダメだと思うよ？」
「え、エスパー！？」
「…普通に声に出てたけど」
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