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野球 ページ3



桃色少年から何日か経った今日。兄貴は練習試合がある、と言ってた。たまたま、グラウンドの周りを散歩していると足元にボールが転がってきた。


「すいませーんっ!!その、ボール、とって、くださぁぁい!!」


青道野球部の服を身に纏った茶髪の元気そうな男の子。試合はどうしたのだろうか?私はそんな事を考えながら、ボールを手に取る。

久し振りに持つこの重たいボール。私は少し前まで受験生だったから、ボールとかバットとかそんなのを暫く持っていなかったんだ。だから少しにやけてしまう。

ボールの投げ方、私は知っている。兄貴から教えてもらった訳じゃない。中学二年まで私はとてもめんどくさい性格の持ち主に投げ方を教わったんだ。

だから私はついつい調子にのってあの投げ方?フォームで投げ返してしまったんだ。


「!!!?」

「(やばっ!つい、インコ直伝のチェンジアップで投げちゃった!)」


私の投げたチェンジアップはスクリュー気味に緩急をつけて落ちていく。

だけどちゃんと茶髪の男の子のグローブの中に私の投げた硬球は入る。…結構重そうな音と共に。


「ごめーん!大丈夫だった!?」


私が叫んで話しかけると茶髪の男の子は「はい!!!!」と驚きながらもいい返事をしてくれる。元気だな、あの子。


「ありがとうございました!!」


茶髪は90度に腰を曲げてお辞儀をする。そこまで…やらなくてもいいと思うんだけど……。

って言うか、あの子一人で何やってんの?バット持ってグローブ持って。何するつもりなんだろ……。

ま、私には関係のないことかな。兄貴はやっぱり…居ないよね。と言うかがいたらダメか。兄貴スタメンだし。キャプテンだし。

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作者名:フ瑠ラン | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2018年7月2日 20時

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