1500m ページ19
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今から1500mが始まる。1500mは選手が少ない代わりに一年から三年全員で走る。そのため、小湊兄弟対決が見られると言うわけだ。
「負けないよ、春市」
「僕だって兄貴には負けない!」
仲の睦まじい兄弟である。あの二人何だかんだ言って仲がいいよね、本当。
「春っち頑張れ!今なら春市から春男になれるチャンス!」
「うるさい。耳元で叫ばないで」
「何だと降谷!」
「小湊君も小湊先輩も両方頑張って下さい」
「無視すんな!」
遠方では降谷君と栄純君が春市君を応援していた。あの二人も何だかんだ言って仲がいいよね。お互いを認めあってるライバル、って感じがする。
「亮さーん、小湊なんか余裕で蹴散らしてくださーい!!」
「小湊兄弟対決。面白そうだな」
はたまた違う方では倉持先輩が介さんを応援していた。御幸先輩に至っては応援していない。
「どっちが勝つと思う、純」
「あ"ぁ?亮介に決まってんだろ」
「ここで小湊が勝てば面白いと思わないか」
「知るか!!」
後ろでは兄貴と純が言い合ってた。ちなみに兄貴と純はハンドボール投げに出て同じ記録を出し、二人一位になって帰って来た。
純は元々ピッチャー志望だった訳だし勝つだろうと思ってはいたけれど兄貴も一位を取ってくるなんて少し驚いた。
兄貴が帰って来た時言った「キャプテンは負けられないからな」と言ったあの言葉にズキューンと来てしまった。格好よかったよ、兄貴!!
「よーい、スタート!」
小湊兄弟が走り出した。二人とも体力を温存しているらしく余裕な顔である。
「亮介ー!弟なんかに負けんな!!」
「うるさい」
ちょうど私達の前を通った介さんが言う。勿論、純はキレる訳だが慣れている私と兄貴は無視する。
私を通りすぎて少しのところでは春市君が栄純君達に向かって「目立つから止めて」と言って走っていった。
確かに栄純君達は途中で応援ではなく喧嘩していたし…春市君は以外に毒舌みたいです。
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