飼いビトに手を差し伸べたのは…【月山習】 (ページ14)

今日:1 hit、昨日:4 hit、合計:26,353 hit

理由ページ14

A「あの…お兄ちゃん、大丈夫？」

月山「もちろん。食事をしたらほら、この通り！すっかり元気さ」

ずっと自分を気遣っていたAの顔も安堵の表情を浮かべる。

月山「ところで…リトルレディーとはなんの話をしていたんだい？」

A「ヒナミちゃんとは、ママの話になって……」

月山《やっぱりか…》

実はそうではないのかと思っていたのだ。

A「ヒナミちゃんを励まそうと、『ヒナミちゃんのママもわたしのママもよわかったんだから仕方ないよ！カネキっていうお兄ちゃんがいるんだからもう弱いママの事は忘れなよ！』って言ったら泣き出しちゃった。」

月山《ソレは泣くのも仕方ないな…》

優しく弁解するようにAに言う。

月山「A、いいかい？リトルレディーのお母さんは、最期にリトルレディーを守って亡くなったんだ。愛する娘のために、命をかけてCCGと戦ったそうだ。キミは本当にソレが弱いとおもうのかい？」

A「でも、そのCCGに負けて死んじゃったんでしょう？だったら弱いじゃないの？」

中々言いたいことが伝わらない。

月山「強さというのは力量だけじゃない。メンタルの強さというものもあってね。そういう強さはここぞという時に発揮されるんだ。だからリトルレディーのお母さんは決して弱かったわけじゃないよ。」

そうしてこう続ける。

月山「本当の母を、簡単になんか忘れられないだろう？現にキミだってそうじゃないか。」

そういうと、Aはハッとした表情を浮かべる。

A「ホントだ…わたし、ヒナミちゃんにひどいこと言っちゃった。」

月山「そうだね…だから、今度アジトに行く時に謝ろうか。あ、あと仲直りの印にプレゼントを用意しよう！そうと決まれば買いに行かなくては…！」

そうしてAの手をひく。

月山「くよくよしてる暇はないよ！」

A「うん！」

そうしてAにいつもの元気が戻ったのだった。

To be continue...