ずっと… 【終わりのセラフ】6 (ページ4)

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249 太陽をウシナウ日ページ4

久しぶり神楽の元へと来てみればぼーっと空を見上げ
何処かに意識を飛ばしている
後ろから近づいていくと

｢A…｣

『神楽、何見てるの』

｢空だよ｣

『急に、どうしたの』

｢わからない、でも空を見上げるのが好きだった気がするんだ｣

『気がするって、それは昔の記憶？』

｢うん、多分ね｣

『神楽って昔の記憶がないんだっけ。私と同じだね』

｢そうだね、でも君の中にいる天使が出てきて君の体と心がめちゃくちゃに破壊されていくごとにちょっとだけ記憶が戻ってきた気がする｣

『…なにそれ、じゃあ私はめちゃくちゃになった方がいいね』

｢だめだよ、君がいなくなったら僕は消えちゃう
あの天使が君を乗っ取るんだから無茶しないでよ｣

『でも、記憶戻るんでしょ』

｢別に記憶を戻したい訳じゃないよ｣

『…覚えてないのは怖くない？私は覚えてないことがあるから怖いって思うよ』

｢そうなのかなぁ｣

『……で、具体的にはどんなこと思い出してるの？』

｢んー空が好きだったこと？｣

『確かに綺麗だもんね』

｢太陽が好きだったとか｣

『他には？』

｢…大切な子がいた気がする
でも、その子のことは全然思い出せない
顔も声も何も｣

そういった神楽は頭に手を置き俯く

『思い出すと頭が痛い？』

｢うん、痛い｣

『でも、思い出したい？』

｢…わかんない｣

『…会いたい？』

｢…あああ！！
頭痛い！！｣

頭を掻き毟る神楽はそのままバタンっと隣に倒れ込む

｢思い出すの辞めたー｣

『…私も記憶戻すの手伝うよ』

｢戻したいのかもわからない｣

『でも、空と太陽が好きだったって思い出せたなら、その大切な子も思い出したいはずだよ』

｢そうなのかな｣

『うん！私なるべく空見るよ、神楽が少しでも思い出せるように』

｢別にどっちでもいいよ、そろそろ僕は寝るね｣

『…うん、あのさ天使抑えてくれてありがとう

ってあれ、もう寝てるし…』

『(大切な子か…
神楽にとって大切な子がいるならそれはきっと思い出したいはずなんだ、

私も…何かを忘れてるそれを思い出したいのかも分からない
本当、どうなってるのこれ)』

立ち上がり空を見つめたAは1つため息をつけば、目を瞑りみんなのいる現実へと戻る