ちょっと？特殊な兄妹の奮闘記２ (ページ7)

今日:7 hit、昨日:0 hit、合計:715 hit

第四十八話「さあ、しりとり再開だ！！ルと言ったら、ルナ・スカーレット！」ページ7

NOside

紫苑「…僕に何か？」

フィッツジェラルドは、自分より少し背の低い紫苑をみおろすし、品定めするかのように紫苑の周りを一周した
そして、ほぉ…と感心している様に一息ついた

フ「青年、君の名前(ネーム)は？」

紫苑「…佐々倉紫苑です」

紫苑がそう言うと、フィッツジェラルドは数度その名を口にし笑みを零して指をﾊﾟﾁﾝとならした

フ「なるほど…君が噂のDifferent world people(異世界人)か」

その言葉を聞いて紫苑は驚きを隠さずにはいられなかった

異世界人…それはまさしく、幻想郷という違う世界からやって来た紫苑を指すものだったからだ

何故自分が違う世界から来たことを知っているのか、紫苑は不思議を通り越して恐怖を感じた

自分が異世界から来た事を知っているくらいならまだなんとかなる…しかし、フィッツジェラルドが異世界、つまり幻想郷のことを知ってしまったなら取り返しのつかないことになる

フ「安心しろYouth(青年)、この事は決して他には口外しない」

紫苑「ははっ…それはそれは(これは笑えない展開になってきたね…)」

紫苑は目の前で不敵に笑うフィッツジェラルドと目を合わせながら苦笑いを零した

紫苑「所で…なぜその事を？」

フ「俺に不可能はないぞYouth(青年)。企業秘密というやつだ」

紫苑「…話すつもりはないと。では質問を変えます…僕に話があるのでしょう？」

フ「ふっ…流石だ！それでこそ100億の価値の片割れだな」

100億…その言葉を聞いて、紫苑と福沢はまさかと目を見開いた

そうだ…区の指定災害猛獣であり、月下の異能力者中島敦だけではなく、紫苑と美由華にまで懸賞金がかけられていた

だが、この100億は二人でと言うこと…つまり、黒華の存在が知られていないと言うことに紫苑は安堵の息をはいた

紫苑「なる程…それであなたは、僕達兄妹と敦君を攫いにきたと」

フ「攫う？物騒なことを言うなYouth(青年)。勧誘しにきただけだ」

どちらも同じだろと紫苑は心の中で思った

フィッツジェラルドが紫苑の肩に手をおこうとした時、今まで黙って話しを聞いていた福沢が間に入ってその手を掴む

福「紫苑は我が社の者だ」

福沢は切れ長の目で睨みつける

手をヒラヒラと顔の前でちらつかせたフィッツジェラルドは分かったと言って出て行こうとした

フ「先に忠告しておこう。俺は欲しいものは必ず手に入れる」

紫苑「………」