真実と、その果てに (ページ9)

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見知った廃墟で５ページ9

画面越し、紙面越しでしか目にする事のできなかった場所を訪れ、その場で起こった出来事を思い返しながら思いふけるのがこんなに楽しいとは…。そりゃあ聖地巡りもはやるはずだよなぁ。
やはり、危険を冒してまで黒曜ランド内に入って良かったなぁ。

惜しむらくは、カメラやスケッチブックが手元にない事か。

｢…めてっ……｣

MMと戦っていたであろう場所から少し進んだ所で、微かに聞き慣れた声が聞こえた様な気がした。

「…女子の声？ここが黒曜ランドであり、黒曜編真っ只中では無い以上、女子といえば。
ビアンキでは無い=凪たんが居る…？」

クロームちゃんが居るという事から、現在が黒曜編以降なのが確定したか。
あーそうか、第一の敵、最初の壁であった黒曜戦はもう終わっちゃってるのかー…ちょっと残念、なんて言うより前に。
なんだか嫌な予感がする。

何か、リボーンの世界観とはまた違う、不穏で異質な…薄暗いモノを感じる。
一体それが何を表しているのかはわからないが、とにかく何か嫌なものがこの先にある
私の直感がそう告げている。

一般人の言う嫌な予感なんて、仕事でミスした時「やべ、上司に怒られる…嫌な予感がするなぁ」程度だろう。
これは予感ではなくて経験と知識に基づく予測だからちょっと違うけど

今感じているのは、そんなのとは一線を画した何か。
漠然とした不安が湧いて止まらない。この先に進むべきかを、躊躇してしまう程には。
この先にクロームちゃんがいる、それは確実。そして異質な何事かが起こっているのは私でもわかるくらいに明らかだ。
“解らない何か”が起こっているのであれば、怖がってる暇なんてない、進まなければ。

マフィア関連の怖い事件だとしても幸い、私には霧の力らしきものがある。
そう簡単には死なない…信じたい。