真実と、その果てに (ページ4)

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始まりは、本に埋もれた自室から。３ページ4

ぺらり

隅から隅まで夢中になって目を走らせていると
風を受けたかのように、意思に反してページがめくれる

「あ、ちょ…待ってまだこのページ読めてない…骸様が何…？」

こういった重厚なシナリオにおいてネタバレなど厳禁。
先読みしてしまわぬよう、目を逸らしながらも元のページに戻す
しかし、また同じように触れていないはずなのにペラペラとページがめくれ出した

ここで危機感を覚え、本を両手持ちにして抑える。
一瞬の静寂、背中に伝う冷や汗。ページがめくれるからには、風が吹いているという事。
風が吹くという事はつまり、風が入ってくる場所があるという事

「…ヤバいもしかして、窓開けっ放し！？」

何であろうが本を読みながらの一人言は危険だ。聞かれたら最悪の社会的な死が…
脳裏に最悪の結果がよぎる中、窓を閉めなければ、と体を窓に向ける

…が、しかしどうやら風は私の足元から吹きつけているらしい。
足元から風？なにそれ床に穴でも空いてるっていうのか。いや、そんな訳なくない？
だって私現に立ってるし、床下収納だって位置が違うんだから…

そろり、と足元に目をやる

紫に光る幾何学模様。吹き出す優しい風。
まごう事なき、魔法陣。一度目線を本に戻して、苦笑する。
そんな、TRPGの導入でもあるまいに。
魔法陣が現実世界に突然現れるなんてそんな事…起こってるの！？今まさに自身の足元で？！

「…あっはっは。そうか、まさか目の前で光る謎の魔法陣にエンカウントするなんて
流石に予測してなかったなぁ…って異世界転成フラグとか建ててないんだけど？！」

言い切ったかどうか、魔法陣から光という光が溢れ出し、視界を埋め尽くす。
それと同時に手元から本が離れていく感覚があったが、体は自由に動いてくれないようだ。

「え、待って待ってまだ読み切って無いって、光のような綱吉君と友人になっていてでもどこか自分の中で関わるな、とか裏切られる、とかの感覚に苛まれるようになりそこから世界の真実に気付きかけた骸様や如何にぃいいいい！！」

瞬間。グニャリ、と世界が歪んだ気がした。

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