Episode22 ページ24
寮に帰った私たちを
ジャミルや寮生たちが迎えてくれた
まあ、そのあとジャミルからお説教をくらったけど
確かに毒が入ってるのわかってて食うやつは馬鹿としか言いようがないよね
私はカリムと食事を済ませると、部屋に戻った
そして、ベッドに寝転がる
｢好き…か。｣
さっきのことを思い出すと心臓の鼓動が早まった気がする
しばらくぼーっとしていると誰かの気配がして
私は起き上がった
ベランダに人影がある
私が恐る恐る近くと、月明かりに照らされて顔がはっきり見えた
｢サーラ？｣
ｻｰﾗ｢A…｣
彼女は私と同業で、訓練なども小さい頃から一緒に受けていた仲だ
｢どうしたの？｣
私が尋ねると、彼女は少し悲しそうな顔をした
ｻｰﾗ｢どうしたのじゃないでしょ？随分、カリムと仲がいいのね。仕事、忘れちゃった？｣
｢忘れてなんか！｣
ｻｰﾗ｢ならいいけど。今日は伝言を預かってきたの｣
サーラはそう言って私に一枚の紙を手渡した
｢これって…｣
ｻｰﾗ｢依頼者の人から預かってきた。…ねぇ、Aは本当にカリムを殺そうと思ってる？｣
｢…｣
この質問には何故か即答することができなかった
ｻｰﾗ｢仲良くなっても苦しくなるだけなのよ｣
｢…分かってるよ｣
そんなこと私が一番理解してる
私に優しくしてくれる彼を殺すのは本当に心苦しい
ｻｰﾗ｢今日の昼も私が入れておいた毒をあのままカリムに食べさせておけば殺せたのに｣
あの毒はサーラが…
｢勝手なことしないで！｣
ｻｰﾗ｢…私はもうしないけど、早くしないと他の刺客にカリムを殺されてしまうわよ｣
｢分かってる。分かってるけど…｣
私より先に誰かがカリムを殺せば私の仕事は失敗
最悪の場合、私が殺されることだってある
失敗して殺される人は今まで山ほど見てきた
ｻｰﾗ｢…私はAが心配なの。
もう仲間が殺されるところは見たくない｣
そう言って涙を流すサーラを私は抱きしめた。
｢ごめんね、心配かけて。
できるだけ早く仕事終わらせて帰るから…｣
ｻｰﾗ｢約束よ…｣
｢うん。約束…｣
私はサーラを見送ると、
そのままベランダから星を眺めた
カリムと空飛ぶ絨毯に乗って星空をみた日のことが思い出される
｢サーラ、ごめん。約束守れないかも…｣
私の目から涙が流れた
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広告 - めちゃくちゃ良かったです！ (2020年10月21日 19時) (
レス) id: 21de1d3817 (このIDを非表示/違反報告)
美月(プロフ) - 陷さん» コメントありがとうございます！楽しんで読んでいただけたようでよかったです！ (2020年6月29日 22時) (レス) id: 6feeb0dd0f (このIDを非表示/違反報告)
陷(プロフ) - さいっっこうでした！ハピエン厨なので作者様がハッピーエンドを書いてくださり本当に嬉しかったし、とても素晴らしい小説でした！ありがとうございます！ (2020年6月29日 21時) (レス) id: cd18a981b6 (このIDを非表示/違反報告)
海賊船の雑用 - はい！ずっと見てます！←ストーカー (2020年5月27日 20時) (レス) id: 3287b8cc09 (このIDを非表示/違反報告)
美月(プロフ) - 海賊船の雑用さん» ありがとうございます！楽しんで読んでいただけてるようでなによりです！これからも頑張ります！ (2020年5月27日 20時) (レス) id: 6feeb0dd0f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：美月 | 作成日時：2020年5月26日 17時
