Episode12 ページ13
その日の夕方
私は少し遅めに寮に帰った
談話室から賑やかな声が聞こえる
何事かと思い談話室を覗いてみるとみんなで宴をしているようだ
ｶﾘﾑ｢あ、Aおかえり！｣
カリムが談話室を覗く私を見つけて手を振る
私もつられて手を振った
彼は手に持っていた皿を置くと、私の方にやってきた
ｶﾘﾑ｢遅かったな。心配したんだぞ？｣
カリムは私の頭をそっと撫でた
それがなんだか心地よかった。
｢すみません。図書館で勉強してました｣
私がそう言うとカリムは微笑んだ
ｶﾘﾑ｢Aは勉強熱心だな。でも、帰りが遅くなるときは今度からオレに言えよ？｣
｢わかりました｣
私は素直に返事をした。
｢それじゃあ、部屋に戻り…｣
ｶﾘﾑ｢ダメだ！｣
カリムは言葉を遮り、私の両手を掴んだ。
ｶﾘﾑ｢一回部屋に入ったら朝まで出てこないだろ？
今日は何がなんでも宴に参加してもらうからな！｣
カリムは私の手を引いてみんなの輪の中に入った
ｶﾘﾑ｢今日はこの前できなかったAの歓迎会をしよう！いっぱい食べて、歌って踊ろう！｣
そう言って私に笑顔を向けるカリムはいつも以上に輝いているような気がした
今日くらいは皆と一緒に楽しんでもいいのかな…
笑顔でご飯を食べている周りの寮生を見ながら思った
｢…はい！｣
なんだか心がポカポカしている気がする
ご飯をお腹いっぱい食べたのはいつぶりだろうか
小さいときから常にお腹を空かせていた私にとってご飯をお腹いっぱい食べるというのは初めての経験だった
こんなに幸せなことだったんだ
16歳にして初めて知った幸せに思わず泣いてしまいそうだ
ｶﾘﾑ｢…A?!苦しかったら無理して食べなくてもいいからな？｣
涙目の私に気づいたカリムは焦っているようだ
私は首を横に振った
お腹が苦しいんじゃない、嬉しいんだ
ここにいれば毎日温かいご飯が食べれて、優しいカリムと一緒に居れる
朝とは打って変わって
｢ずっとここに居たい｣と思った
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 243人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ツイステ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
広告 - めちゃくちゃ良かったです！ (2020年10月21日 19時) (
レス) id: 21de1d3817 (このIDを非表示/違反報告)
美月(プロフ) - 陷さん» コメントありがとうございます！楽しんで読んでいただけたようでよかったです！ (2020年6月29日 22時) (レス) id: 6feeb0dd0f (このIDを非表示/違反報告)
陷(プロフ) - さいっっこうでした！ハピエン厨なので作者様がハッピーエンドを書いてくださり本当に嬉しかったし、とても素晴らしい小説でした！ありがとうございます！ (2020年6月29日 21時) (レス) id: cd18a981b6 (このIDを非表示/違反報告)
海賊船の雑用 - はい！ずっと見てます！←ストーカー (2020年5月27日 20時) (レス) id: 3287b8cc09 (このIDを非表示/違反報告)
美月(プロフ) - 海賊船の雑用さん» ありがとうございます！楽しんで読んでいただけてるようでなによりです！これからも頑張ります！ (2020年5月27日 20時) (レス) id: 6feeb0dd0f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：美月 | 作成日時：2020年5月26日 17時
