第8話≪なふ子≫汐音視点 ページ8
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「お試しでいいんで……付き合ってみませんか? ね?」
汐音「ね、って何!? だから俺男だよってさっきから言ってるけど!?」
「男でもいい、お願いします!」
汐音「断ります!」
気味の悪い男に絡まれてから、早2時間。
路上で世にも奇妙な攻防を繰り広げる俺は、目的地であるとあるアパートに
全くもって辿り着けないでいた。
ほんと早く行かないとあの子来ちゃうんだけど……タスケテクレ(泣)
スマホのマップによると、もうすぐそこに目的地はあるはずなのだ、け……ど。
「どうしてもダメですか……?」
汐音「うぉえぇぇぇぇ←」
とりあえずこいつ気持ち悪過ぎるんだよ……吐くよ……?(もう吐いてる)
爪も……あの子と比べても全然何も感じないしさぁ……。
あーあ、もう俺死ぬ。
死ぬわホント←。
……すると、俺の横をすり抜けてやけに大荷物の誰かが駆けていった。
え、ちょ! 助けてくださぁぁぁーい!?
「ちょっとだけ……懐かしい香りを堪能させてください」
汐音「!?」
すれ違いざまにその誰かが呟いた言葉に、耳を疑う。
か、香りって……何の香りもしないけどどういうことだ?
……ってか、
汐音「なんでスルーなんだよ助けろよ首突っ込んでくれよおい」
「え? 突っ込んでほしいんですか?」
汐音「違うから! 俺ほんとそーゆーんじゃないから! さよならァァァァ!!!」
絶叫して男を引っぺがし、マップ通りに走る。
と、思いきやそのダッシュは思いのほか早く終了することになった。
汐音「……え、ここなの……?」
おそらく1分も掛からなかっただろうか。
俺の目の前に、数名の男女とアンティーク調のアパートが見えてきたのは。
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ライガット@絶賛片思い中(プロフ) - 愛李さん» あ、愛ちゃん、来たんだーwありがとねー! (2015年6月30日 19時) (レス) id: a5107bee30 (このIDを非表示/違反報告)
プリン☆(プロフ) - 愛李さん» ありがとうございます!これからもよろしくお願いします! (2015年6月28日 11時) (レス) id: 46806ae94a (このIDを非表示/違反報告)
愛李 - 凄く面白いです!更新楽しみにしてます! (2015年6月22日 18時) (レス) id: 199e8597dc (このIDを非表示/違反報告)
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