フェチズム達が集まるアパート！【小説】

第7話 (愛吹)聖視点 ページ7

ボクはようやく、今年、念願の日本上京を果たした。
空港で飛行機を待っているときにパパとママからもらったメモを見ながら、重たいカバンとリュックを背負ってボクは道を歩いていた。
『親愛なるホルへ。
日本留学おめでとう。そっちでも上手くやっていってね。パパとママはいつでもホルを心配しているし、愛しています。いつでもいいから、たまにはフランスに帰ってきてね』
とフランス語で書かれてあった。
その下には、見たことのない住所。
「んー、人通りが少なくて迷うなぁ」
日本の地図はまだよくわからないし、話を聞いてくれる優しい方はいないかな…
まぁ、勘を頼りに少しばかり歩いてみよう。
「…___！」
「……？」
向こうから何か話し声が聞こえる。三人…男の子1人と女の子2人かな？
行ってみよう。
それを頼りに足を動かす。
話し声がだんだんと大きくなるのがわかって行った。
それと同時に、目標のアパートらしきものが見えてきた。
「あれなのかな…？」
まだイマイチよくわからない。
…そうだ、あの話し合っている人たちに聞こう。
「あ、あの！」
ボクが声を張り上げると、一斉に振り返る三人。
その中で、ボクは1人の子を見て、目を見開く。
「あ…」
思わず声が出てしまった。
墨のように真っ黒な黒髪、汚れのない、澄んだ翠色の瞳。
吸い込まれて行った。そして、足が勝手に動いたのだ。
「ひゃっ！？」
あぁ、またボクの悪い癖が出た。
ごめんなさい。でも、少しの間許して………。

この、懐かしい香りを堪能させてください。

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