フェチズム達が集まるアパート！【小説】

第41話 (ルミ)望視点 ページ41

良く分からないチンピラに絡まれていた子の目が開く。
綺麗な紫苑色の瞳が目に映る。

綺羅｢……お前は……誰？｣

凛とした声が私の耳に鳴り響く。
少し低めだけど……女の子だ！

望｢あ、怪我ない？いま担いでるから怪我とかよく見れないけど｣
綺羅｢あ、あぁ。特には………というか、よく担ぐことができるな｣
望｢こう見えても力持ちなんですっ！｣

にぱぁぁあ、と笑って見せる。
すると女の子はなにかおかしかったのか、少しだけ口角を上げてふっ、と笑った。
…なんだろう、鼻で笑われて楽しい奴とでも思われたのかな…。

綺羅｢お前、面白いな｣
望｢いやぁ、良く言われるんですよぉ〜…っじゃない！やっぱりそう思われてたか…｣

ひとりでずーんと重い空気を作り始める。
女の子は「それよりこの格好、結構屈辱なんだが…」と言いながら降りようとする。

望「ああああ！！！ダメダメダメ！まだ動いちゃダメ部屋連れてくから！」


________________
________

(結構話飛びますすみません！)

私はほうきを持って玄関周りを掃除していた。

望「ふぅ、とりあえず、女の子はここのアパート住人の子っていうのはわかったし、律ちゃんはレースに出るそうだし…怪我しないように言っとかなきゃ！」

一斉メールで律ちゃんのこと、みんなに行っておいたけど…やっぱりみんな優しいなぁ。

『りっちゃん、レースに出るの！？わぁ、応援してる！ひめ絶対見に行くから！』

『律…？とは誰かわからないが、応援している。頑張れ』

『リツは自転車が本当に大好きなんだねっ！ボクも何か好きなものに没頭したいなー』


と、応援メッセージが私の携帯の受信箱を埋めた。
アパートには奇跡的に、優しい人が集まっているんだなぁと実感した。
最初はどうなるか、管理人として不安だったけど、本当に良かった。
律ちゃん…みんな応援してるから、頑張って。
私も応援してるから。

続く  (更新停止中) お気に入り登録で更新通知を受け取ろう

←第40話 (茉莉花) 姫花視点

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す