第31話(shion)伊鞠視点 ページ31
「もう……」
結局、その日はアパートには行けずじまいで、5人組を撒くので精一杯だった。
仕方がないのでホテルに泊まったのはいいが、朝早く目覚めてしまう。
しょうがない。早めにチェックアウトしてそこら辺を歩き回るか。
そう思い、ホテルのロビーで鍵を返す。
1日遅れちゃったな、どうしよう。
やはり、ここは早く行って管理人さんに謝るべきだろうか。
でもこの時間に行ったら迷惑だしなぁ。
焦りながら悩んでいると叫び声が聞こえた。
「えっ」と驚きながらそちらに向かう。
そこにはさくちゃんが「どうしましょう」と言いながら突っ立っていた。
「さくちゃん……?」
恐る恐る声をかける。
さくちゃんは凄い勢いで振り返った。
思わず体が揺れる。
「伊鞠くん……伊鞠くん!? 伊鞠くんがどうしてここに……?」
「え、あ、俺、ここのアパートに一人暮らしする事になったんだよね」
そう言いながら、とてもアンティークでオシャレなアパートを指差す。
「ええぇ!? 伊鞠くんもですか!? 奇遇ですね私もなんです」
早口に喋りながら唇を触ろうとするさくちゃん。
間一髪で避けたけど、凄く不服そうな顔をしている。
毎回会うたびに失敗してるのに、懲りないなぁ。
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ライガット@絶賛片思い中(プロフ) - 愛李さん» あ、愛ちゃん、来たんだーwありがとねー! (2015年6月30日 19時) (レス) id: a5107bee30 (このIDを非表示/違反報告)
プリン☆(プロフ) - 愛李さん» ありがとうございます!これからもよろしくお願いします! (2015年6月28日 11時) (レス) id: 46806ae94a (このIDを非表示/違反報告)
愛李 - 凄く面白いです!更新楽しみにしてます! (2015年6月22日 18時) (レス) id: 199e8597dc (このIDを非表示/違反報告)
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