第21話≪なふ子≫汐音視点 ページ21
・
日も暮れて、だいぶ落ち着いてきた。
あのロリっ子……姫花は、大丈夫だろうか？
でも、俺が心配したところでどうにかなる訳じゃないから。
まぁ世の中結局、そんなもんだ。
最後は自分の想いとか、生命力とか……そーゆーのを信じろって、カウンセラーの
兄ちゃんが言ってた。ホント、飽きるくらいに……。
汐音「でも兄ちゃんは、信じ切れなかったんだよなぁ。たぶん」
瞼が落ちていく。
・
兄ちゃんが交通事故に遭ったって聞いて駆けつけた俺が見たのは、すでに
亡骸になってベッドに横たわる兄ちゃんの姿だった。
いらなくなった人工呼吸器を外して、目を閉じたままの彼は。
なぜか、
とても―――……
優しい顔を、していた。
汐音「―――……あ、やべ。寝てたし」
正直もう忘れたと思ってた。
さっき見たこと。
兄ちゃんの笑顔と、泣き崩れる両親。
なんだか酷く、疲れていた。
どこかに座ったり寝転んだりして休もうと思い、部屋を見渡す。
汐音「……はは……あーもう、なんも出してないじゃん……」
ここにいると、心が軽くなるような気がしていた。
他のやつらも……もしかしたら、なんて。
悲しみとか、辛さとか、
分かち合えたりするんじゃないか、なんて。
期待したっていいよな？
汐音「……ん、ふぅ……っと！ とりあえず片付けるか！」
―――よっこらしょっ！！
……あぁ、この時なにも考えずに安易に立とうとしたのがいけなかったのか。
恐らく眠る前からずっとあぐらをかいて座っていたのだろう。
足にビキィ…！ と鈍痛が走った。
思わず顔をしかめる。
汐音「痛でっ……って、」
ん？
何かがおかしいぞ？
汐音「何で天井が見えるんだよ……←」
あっ、これは悪い予感しかしない。
ものすごく悪い予感だ。
――――ベキッ……ドガァッッッ！！！
案の定、破壊音と共に俺の背中は床に墜落した。
うーん……
……すこぶる痛い。
目の前が眩み、チカチカと点滅していた。
どうなったんだこれ？
恐る恐る、首だけ回して振り返る。
すると、
「ひっ……ひ、人んちの！ しかも新居のッ！！
か……壁が破壊されててそっから人が顔出しとるって――……、
――どういうことやねぇぇぇぇぇぇん！！！！」
スポーティそうな少女が、顔面蒼白になって絶叫していた。
望ちゃんから聞いたぞ。この子確か……
汐音「律、ちゃん……？」
「……え？」
これが、俺と律ちゃんの出会いだった。
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ライガット@絶賛片思い中(プロフ) - 愛李さん» あ、愛ちゃん、来たんだーｗありがとねー！ (2015年6月30日 19時) (
レス) id: a5107bee30 (このIDを非表示/違反報告)
プリン☆(プロフ) - 愛李さん» ありがとうございます！これからもよろしくお願いします！ (2015年6月28日 11時) (レス) id: 46806ae94a (このIDを非表示/違反報告)
愛李 - 凄く面白いです！更新楽しみにしてます! (2015年6月22日 18時) (レス) id: 199e8597dc (このIDを非表示/違反報告)
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