フェチズム達が集まるアパート！【小説】

第13話(鈴屋こひな)心音視点 ページ13

父親は海外出張、母親も仕事で忙しい。
兄も、もう大学生で都会へ一人暮らしする事になった。

なので母が一週間前私が寂しいと思っていると思って、急きょアパートに住む事になった。
そして今日、住む事になるのだ。

「よし……」
荷物をトランクやバッグにまとめて、私は外へ出た。

母の話によると高級感あふれるアパートらしい。
そんなアパート本当にあるのかな……?
そう思いながら母から渡された地図を見ながら目的地へ進んでいくと

「……え?」
高級感あふれるアンティーク調のアパートが建っていた。
結構近所だったのになんで気づかなかったんだろう……。
まさに母が言った通りの高級感あふれるアパートだった。

いや、でも実は間違っているのかもしれない。
近くの人に話しかけないと……。
けれど、話しかける事が出来るのか少し心配だった。
精々これまで話した事あるのは母と父と兄と家庭教師と近所の人だ。

あまりコミュニケーションをした事がない私に出来るかな……?
でも話しかけないと……。
するとそのアパートの近くに四人くらいの男女が居た。
私、できるかな……。
兄にコミュニケーションはどうしたらやれるかと聞いたことがある。
兄は「心音、今日も可憐だね、じゃなくて。まずコミュニケーションは笑顔と、ハッキリ言う事、目線をちゃんと合わすって事かな?心音いつも可愛いと思うけど、笑顔の方がもっと可愛く見える。だからもっと笑って?ね?」と言われたことがある。

無理だ、できっこない。
私表情崩さないし、大きな声で話さないし、小さいから無理だよ……。

諦めかけていると、何かにぶつかった衝撃が走った。
振り向くとそこには人が立っていた。

「あっ……す、すみません……。」

と頭を下げた。
私の馬鹿……。

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