第1話 (ルミ)望視点 ページ1
それは突然だった。
望「ええっ!?」
私が16歳の誕生日が迫っていた時に、両親から衝撃の言葉が告げられた。
仕事の都合で、海外に行くらしい。
母「ごめんねぇ…」
父「でも安心しろ、望はここに残ってもらうから」
望「いや私も連れてってくれることがありがたかったかな!」
父「でも望、乗り物弱いだろ?」
望「うっ…」
確かに、海外に行こうものなら飛行機やら車やら、いろんな交通手段を使わないといけない。
しかも私の乗り物酔いは、ただの乗り物酔いではなく……うん。なんか物凄い。
父「あの時みたいに、盛大に吐かれてもなぁ」
望「やめて!その話はしないで!!!!」
言われた途端、記憶が栓を抜かれたように頭に流れ込む。それは……私にとって黒歴史だった。
というか本当に私一人で大丈夫なのだろうか。
そんな風に不安げな気持ちを持っていた私に、お母さんが優しく抱きしめてくれた。
母「大丈夫よ。望ならきっと乗り越えれる。“両親がいない生活”にね。まぁ望も女の子だし、心配な面はあるけど…お母さんは信じてるわ」
望「お母さん…」
そんな慰めの言葉を聞けて、私は目の奥がジンジンする感覚を覚える。
そう、次の発言までは良かったのだが。
母「頑張って、五年我慢してね!」
父「お父さんたちバカンス気分で行ってくるから!」
望「……………は?」
さすがに今のでぽかんとした。
今までの中でベストショットであろう間抜け面が取れたかもしれない。
両親「「じゃあいってきまーす♪」」
とても幸せそうに歩き出す両親。
はらわたがだんだん煮え帰ってきた。
望「娘を置いて楽しむなんてアホカァァアアアア!!!!!!!!!」
そんな絶叫が、綺麗に澄んだ青空に響き渡った。
今日は暖かくてポカポカした日でもあり、イライラできる日でもあった…。
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ライガット@絶賛片思い中(プロフ) - 愛李さん» あ、愛ちゃん、来たんだーwありがとねー! (2015年6月30日 19時) (レス) id: a5107bee30 (このIDを非表示/違反報告)
プリン☆(プロフ) - 愛李さん» ありがとうございます!これからもよろしくお願いします! (2015年6月28日 11時) (レス) id: 46806ae94a (このIDを非表示/違反報告)
愛李 - 凄く面白いです!更新楽しみにしてます! (2015年6月22日 18時) (レス) id: 199e8597dc (このIDを非表示/違反報告)
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