四十二匹目 ページ43
そのあと私は、今までにないくらいの後悔をする
ギッ…ギッ…
ゆっくり揺れるトト子の体が、私を誘うみたいで
私は、トト子は私以外にも沢山の友達がいるって思ってた
違ったの
トト子も、私と同じように私以外に信じられる友達がいなかった
「ぁ…」
ね、ねぇ、返事して?
お願いだから、嘘だよっていつもどおり笑ってよ
教室が真夏のはずなのにやけに寒くて
カラ松が教室に入って、揺れるトト子と放心状態の私を見つけた
ごめんね、ごめんねトト子
嘘だよ、私本当はトト子のことうざいなんて思ってない、死んで欲しいなんて願ってない
だから、早く目を覚まして
「残念ですが…手遅れでした」
そう言ったお医者さんの言葉を信じられずに、嘘ですよね…?と尋ねた
「もう少し早く運ばれていれば、助かる見込みはありましたが…」
私がぼーっとしなければ
あんなところで放心状態にならなければ
トト子を二度死なせたのは私
─────
──────
───────
「ごめん、ごめんねトト子…ほんとにごめん、ごめんなさい…ごめんね、ごめん…」
「じゃあA。一つお願いがあるの」
え…?
顔を上げると、前みたいににこやかに笑っているトト子
優しそうな顔、変わらない
「これで、私を刺して」
「え…」
手渡されたのは、包丁
…なんで?
訳わかんない、なんで私がそんなこと
「前の人狼はね、殺されなきゃ消えないの。だからお願い、A。私、Aになら何度でも殺されてもいいから───────…」
その日私は、トト子をまた殺した
あれから何年も時は経ち、あの校舎はもうすぐ解体されるという
しかし夜な夜な、あの学校から聞こえて来る歌声と断末魔
今宵もまた、殺人ゲームが幕を開ける
「みなさん、おはようございます。朝です。人狼ゲームを始めてください」
私はニコリと笑い、機械混じりの声を出す
『貴方は狼です。毎晩一人、誰かを殺してください。』
『貴方は狼です。追放された瞬間、貴方はゲームオーバーです。』
『貴方は狼です。処刑された瞬間、貴方はゲームオーバーです。』
『貴方は狼です。ゲームオーバーになると、死亡します。』
『貴方は狼です。村人を全滅させるのが貴方の仕事です。』
『貴方は狼です。頑張って逃げ切ってください。』
『貴方は狼です。』
「夜がやってきました」
───────その日、1人の村人が姿を消した。
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松々先輩(プロフ) - れおさん» ありがとうございます〜!!そう言っていただけて嬉しいです!まだ番外編は残っておりますので、最後まで頑張ります!! (2020年12月26日 14時) (レス) id: a6e4fce6a1 (このIDを非表示/違反報告)
れお(プロフ) - はあああ!最後まで素敵!大好きです… (2020年12月25日 22時) (レス) id: 0afdf78ade (このIDを非表示/違反報告)
松々先輩(プロフ) - ふゆっこさん» 気づいてくださって嬉しいです…!少し歌詞を混ぜました! (2019年7月30日 22時) (レス) id: 3db3ef1937 (このIDを非表示/違反報告)
ふゆっこ(プロフ) - 妄想感傷代償連盟・・・ (2019年7月30日 22時) (レス) id: 354b18a198 (このIDを非表示/違反報告)
松々先輩(プロフ) - ももまつ(カラ松girl)さん» いえいえ!気にしないでください…! (2019年5月19日 19時) (レス) id: 3db3ef1937 (このIDを非表示/違反報告)
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