リアル人狼ゲーム【カラ松】

十六匹目 ページ17

No side


My life didn’t please me, so I created my life.

_____ココ・シャネル


『私の人生は楽しくなかった。だから私は自分の人生を創造したの』





ずっと夢みてた
ずっと、忘れられなかった


そうだったはずのあの日の記憶を、簡単に忘れてしまった

ここへ来てから、一体何日経ったのだろう

人狼はそう笑う


ズルズルと廊下を何かを引きずって歩く人狼


その頰には涙が伝った



殺したくはない
死にたくもない


そんな葛藤の中、人狼はまた仲間を手にかける


さぁ、今度は誰を殺そうか


人狼にととってはみんながみんな、大事なのに


意味のない選出
選べば殺さなければいけない恐怖


嫌だと頭で思っても、行動に移す聞かない体


全てが怖かった



「はぁっ……は、はっ…」


息が切れる
少し休憩しようか、と腰を下ろした


にしても、おそ松……厄介な能力を持っていたな…


汗を拭いながらため息を吐いた人狼は、目を瞑って思い出せそうな記憶の断片を思い出そうとする



いつも瞼の裏に浮かぶのは、あの日の憧憬


虹の浮かぶ、あの青空


自分を見て笑う子供
あれは誰だ…？


『あなた、名前は？』
『え……〇〇…』
『〇〇！！』


その子供が、自分の名前を言おうとしているところでいつも記憶は途切れた

思い出せないもどかしさ



「……やっぱり、思い…出せない、か……」


そうして人狼は、また赤い塊を引きずって歩く




You’ll never find a rainbow if you’re looking down.

_____チャップリン



『下を向いて歩いていると、空の虹が見えないよ』





あの日の空を、思い出して







.




.




.




.









『ぇ……××……？なん……』


ギッギッと音を立てて揺れる、長い髪

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