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Aちゃんの意識が戻らず2日。

Tさんから連絡が来た。

T『どうして帰って来ないのか?何かあったのか?』

Aちゃんに再会してから5日。
目の前に起こる事が壮絶過ぎてとにかく必死で連絡もできずにいた。

俺はこの5日間の出来事を洗いざらい話した。

Aちゃんが、妊娠していた事。

父親は俺たち4人の誰かだという事。

出産に立ち会った事。

難産でAちゃんの意識が戻らない事。

赤ん坊の世話をしている事。

Tさんは、困惑したような声で力無く言った。

T『状況はわかったが、明後日には帰ってこい。お前はゴールデンボンバーの鬼龍院翔なんだ』

ツアーも間もなく始まろうとしている。
今、俺が仕事に行かない訳にはいかない。
そんな事わかってる。
だけど、今の俺は、AちゃんとAちゃんの分身を守ってやる事が一番大事。

病室に戻ると片桐さんが赤ん坊をあやしていた。

大「よしよし、ママでしゅよ〜」(笑)

「ブーーッ!」

つい吹き出してしまった。
片桐さんはどう頑張ってもママにはなれないだろう。

「ねえ、片桐さん。このままAちゃんの意識が戻らなかったらどうするの?」
大「縁起でも無い事言わないでちょうだい!」

あの穏やかな片桐さんが声を荒げた。
俺たちの状況はそれぐらい切迫しているという事だ。

「すみません。でも、いつまでもこのままという訳にはいかないですよね」

俺は葛藤していた。
このまま、ここでAちゃんに寄り添う人生を選択するのもアリだという思いが少なからずあった。

大「もし、そうなったら……。この子引き取りたいわね」
「俺もそう思います」

大「でもね…。アタシも仕事だってあるし、そういう訳にはいかないわ……。Aの母親にも相談してみるけど、やっぱり施設に入れるしか………」

片桐さんは目頭を押さえた。

「俺、明後日の昼には帰らないといけなくて……。本当はずっとついていてあげたいんだけど」
大「そうよね……。アタシもそろそろ帰らなきゃ」

片桐さんは目頭を押さえたまま病室を出て行った。

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匿名希望 - part2完結おめでとうございます。主人公の子供の父親だれだろう仝ζ鵑気―澆ん.リちゃん.ャンさんpart3はどんな話だろう (2017年4月9日 23時) (携帯から) (レス) id: 30f53721df (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:緋色みさと | 作成日時:2017年3月28日 9時

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