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大きなお腹の妊婦さんがポニーテールを靡かせながら、こちらに向かって歩いてきた。

「!!翔さん?」

俺を見つけると、驚いたような顔をした。
その妊婦さんは、Aちゃんだった。

「やっぱり、Aちゃんだった」

肩口までに切り揃えていた髪は大分伸びて、家を出てから、もう半年以上経ったのだと時の経過を実感した。
俺は久しぶりにAちゃんに会って、涙が出そうになるのを堪えて笑った。


「ビックリした。大ちゃんも帰ってたの?」

大「アンタの様子を見にきたのよ」

「わざわざこんなところまで」

「Aちゃんは元気そうだね?」

あんな事があったから、Aちゃんの元気な姿を見てほっとした。

「元気だよ。みんなは元気?」

そう笑うAちゃんは、どこか寂しそうに見えた。

「淳くんが結婚したよ」

「テレビで見た」

「立ち直り早いよなぁ…」

淳くんは先月、一般の女性と結婚した。
あんなに、Aちゃんと言ってたのに、立ち直りが早くて驚くばかりだった。
若いって羨ましい。

「研二さんは?」

「研二さんは、たまに寂しそうにしてるけど、変わりないよ」

「全部知ってたみたいだったしね。優しいね、研二さんは」

研二さんは、俺たちが出会う前にAちゃんに会った事があるそうで、全てを知っていた。
わかっているのに、受け入れた研二さんは、やっぱり大人だと思った。

「豊は、カラ元気かな?ケンカしたままだったから、自分のせいだって言ってて……。週刊誌に撮られた事もあって、滅入ってるみたいだったよ」

「豊には悪い事したな…」

俺と豊は、簡単に吹っ切れる程、若くもなくて、全てを受け入れられる程、大人じゃなかった。

大「A、そのお腹……」

俺が聞きたくても聞けずにいたAちゃんのお腹の事を片桐さんが聞いてくれた。

「もうすぐ臨月」

大「父親は?」

Aちゃんは首を振った。

「俺たちの誰かなの?」

Aちゃんがシェアハウスに住んでいた頃、俺たちは奪い合うように求めていた。
こうなってもおかしくなかった。

「そうなるね……」
「誰かわからないんだね。どうして、みんなに気を持たせる様な事したの?」
「わざわざ説教しに来たの?」
「そんなつもりじゃないけど、Aちゃんを迎えに来た。一緒にあの家に帰ろう?」
「帰れないよ。わたしこんな最低な奴だよ」
「最低だよ。でも、そんなAちゃんだけど、俺たちは……俺は、必要なんだよ。一緒にいたいと思ってるんだ」

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匿名希望 - part2完結おめでとうございます。主人公の子供の父親だれだろう仝ζ鵑気―澆ん.リちゃん.ャンさんpart3はどんな話だろう (2017年4月9日 23時) (携帯から) (レス) id: 30f53721df (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:緋色みさと | 作成日時:2017年3月28日 9時

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