死なないで。 ページ28
いくら一ヶ月前とは比べ物にならないほど強くなったとはいえ、リヴァイには到底かないっこないだろう、それくらい私が一番よくわかってる。
「…ムカつく。」
それでもムカつくものはムカつく。
「知らねぇよ。」
「……チビのくせに。」
「あぁ゛?糞チビのお前に言われたくねぇ。」
「……。」
やっぱりムカつく、なのに、────死んで欲しくないと思うのだから不思議だ。
「リヴァイ。」
私は兵舎に向かって歩いているリヴァイの隣に並んで既に呼び慣れている名前を呼んだ。リヴァイはこちらに視線を落とすだけで返事はしないけれど、話を聞く気はあるみたいで。
「絶対に死なないで。」
「てめぇはそればかりだな、いいか、頭の悪ぃお前にひとつ教えてやる。俺は死なねぇ、絶対に。」
「俺の心配より自分の身の心配をしやがれ、糞生意気女。」と付け足したリヴァイにムカつくはずなのに頬が上がる。そうだ、この人は人類最強、簡単に死ぬはずがない。その証拠に幾度となく死戦を潜り抜けてきたではないか。
「…仕方ないから、もし貴方が死にかけたら助けてあげる。」
「馬鹿が、調子に乗るな、下っ端が。」
がしっと頭を掴まれ振り回される、と思ったがリヴァイの手は程よい温もりを私に与えつつ、私の頭を不慣れな手付きで撫でる。いつも険しいその顔は、どこか機嫌が良かった様な気がした。
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作者名:るかこ。 | 作成日時:2020年4月15日 11時