ハンジの奇行。 ページ24
「……うむ、まさかここまで成長するとは思わなかった、確かに一ヶ月前とは比べ物にならないな。」
「あのリヴァイが目を掛けて育てたからね!当たり前さ!もうリヴァイの横に並んでもなんの違和感もないよ!ダブル最強コンビ!現る!みたいな!?ハハハハハッ!」
ハンジが腰に手を置き、ワハハッと大きな声を出して笑う。
「ハンジは今日も元気ね。」
滲んだ汗をタオルで拭いながら苦笑いを零す。
「奇行種だから疲れねぇんだろ。」
「それは言えてるわ、リヴァイ。」
この一ヶ月間、ハンジの奇行っぷりは見事だった、悪い意味で。巨人の事になると周りが見えなくなってしまい、部下達を巻き込みながら深夜まで実験、なんなら夜なのに壁の外に行きたいと駄々を捏ねる始末。
ハンジが暇潰しで作っている薬が配られた時は本当に死を覚悟した、「これを飲んだら今よりももっと強くなれるよ!」なんていう適当な口言葉に乗せられた純粋なエレンはハンジが調合した薬を飲んでお腹を壊したらしい。私は飲まなかったけど…。リヴァイなんてすぐ様窓から放り投げて捨てていた。そして一番酷いのは、
「……ハンジ、最近いつ風呂に入った?」
思わずハンジを睨んで聞いた、するとエルヴィンとリヴァイはハンジから一気に距離を取る。潔癖症なリヴァイにとって不潔の塊の様なハンジは精神的に受け付けないのだろう、眉間に皺を寄せ、尖った刃物の様な眼光でハンジを睨んでいた。
「うーん、いつだったかなぁ、最近忙しかったし…一週間くらい前かなぁ、って私臭うの?」
「……不潔、汚物、最低ね。」
「えええ、ひどーい!なに!?リヴァイの指導って性格まで似ちゃうの!?なんかルイとリヴァイ、性格が似てきてるんだけど、ちょーやだ!まじでやだ!あ、でもルイの綺麗な顔で罵倒…結構ありな気もしてきたかも。グフフッ…。」
「私を虐めて!」と変なスイッチが入ったハンジが私の腕に絡みつく、ふわん、と臭うハンジの異臭に思わず鼻を覆った。本当に一週間も風呂に入ってないんだわ…、有り得ない。
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作者名:るかこ。 | 作成日時:2020年4月15日 11時