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「近くにいる人間に反応する巨人が『通常種』、人が集まる所まで突っ走り、予測出来ねぇ行動を取りやがるのが『奇行種』だ。確実に、そして刃もガスも成る可く消耗せず巨人を殺してぇなら一発で項を狙え、後頭部より下の項にかけて縦1m、幅10cmだ。」
「それは全ての巨人に共通しているの?大きさとか関係なしに。」
「ああ、そうだ、全ての巨人の弱点は項だ。だが力に任せて削ぐな、刃とガスにも限界がある、補給地点に着くまで補給は出来ねぇからな、刃を
「…了解。」
やけに聞き分けのいいルイに目を細める。普段から従順であれば申し分ないんだが。
俺は木製模型をルイに見せる為、アンカーを射出させた。「着いてこい。」とルイに視線を移せばルイはもう既に準備もしていて俺を見て、小さく頷いた。
「ブレードを使う、血塗れになりたくなかったらしっかりを意識を保てよ。」
「わかってる。」
昨日のように急に意識を飛ばされたとなると今度は無傷では済まねぇ、もし今日の訓練でまた意識を手放す事があったらまうこいうは確実に使えないだろう。
調査兵団の足手纏いになる奴を面倒見る気は更々ねぇ、後はこいつ次第だ。ガスを噴射させ、一番深いところまで一気に飛ぶ、後ろを振り返ればルイもしっかりと着いてきていた。
矢張り、あいつは立体起動に優れてる、華奢な体を利用してガスを殆ど使っていない。
軽やかに、そして優雅に飛ぶ姿はまるで森の中を駆け巡る妖精のようだ、と柄にもなく思い、そんな自分を自嘲した。木々から零れ落ちる陽の光が俺とルイを照らし、やがて見えてきた木製模型のすぐ側でアンカーを抜いて着地した。背後の方ではルイも無事着地した音が聞こえた。
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作者名:るかこ。 | 作成日時:2020年4月15日 11時