意外な一面。 ページ17
Levi...
天気もいい、気温も丁度いい。風もない。つまりは─────絶好の訓練日和だ。
エルド達には今日、エレンの巨人化実験に付き合って貰った。エレンも大分と自分をコントロール出来ているし自分の立場も弁えてる、俺が居なくてもさほど問題は無いだろう。
訓練場へ向かえばルイが地面に座りながら何かをしている、あいつは何をやっているんだ、と近づくが余程集中しているのかこちらに気づかない。思わず眉を顰めた。
「ふふふーん、らららー。」
近づけば近づく程に聞こえてくる鼻歌交じりの歌にこいつの機嫌がいい事が伺える。無視された苛立ちよりも好奇心が募り、目を凝らしてルイの肩越しに覗く、と、
「……馬鹿か、てめぇは。」
「えっ?」
そこにはちっぽけな花を弄り花冠を作っているルイだった。此方に振り向き、鮮やかなブルー、繊細な双眸が向けられ、柄にもなく息を止める。キラキラと風に靡く白銀の髪は神秘的で幻想的。今は一つに結んでいるが、それでも圧倒的に綺麗だった。
ルイは俺を見て、手に持っていた花冠を見て、顔を真っ青にさせた。大方、餓鬼臭ぇ遊びをしていたところを俺に見られて後悔している、といったところだろう。
「年齢に合わず、餓鬼だな、お前。」
だから言ってやった。するとルイは眉を顰め、花冠をポイ、と放り投げた。その横顔は不貞腐れているようで。
「…リヴァイが遅いのよ、暇潰し。」
「ほぅ、暇潰し如きでお前が花と戯れる趣味があったとはな、知らなくて悪かった。」
「ムカつく。」
そう言ってルイは立ち上がりケツの砂を払う。砂埃を被るのは御免なので、一歩離れた。さて、
「…立体機動は一人で装着できた様だな、今日は巨人に見立てた木製模型を使って訓練する。今から簡潔に説明をするが、」
「大体はハンジから聞いた。」
「……ならもう一度大して使いもんにならねぇ頭に叩き込んどけ。」
「…。」
「奴等は驚異的な生命力と再生能力を持ってる、四股を切断しても眼球をほじくり出しても殆ど反応しねぇ程に痛覚が疎い、あいつらの活動に必要な物は食糧でも水でもなく、日光だけだ。日光さえあればアイツらはその辺を好き勝手に彷徨いてやがる。」
「……。」
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作者名:るかこ。 | 作成日時:2020年4月15日 11時