32-50 ページ33
「…おい、いつまでいるつもりだ。」
「お、おおおおお邪魔したね!!!!朝っぱらからおっぱじめちゃうのも元気の証さ!!うん、でも訓練には遅れないようにねぇ!!じゃあねええええ!!!」
リヴァイの睨みを華麗に交し、ハンジはすぐさま部屋を後にした。騒がしいのが来た、と盛大な舌打ちを落としたリヴァイは紅茶でも飲もう、とジゼルの部屋に設置されているポットでお湯を沸かし始めた。
紅茶の淹れ方を勉強していたらしいジゼルの棚にはリヴァイよりかは少ないが数々の茶葉があった。その中からひとつの茶葉を手に取る。
ふんわりと上品な匂いが部屋に漂う中、もっこりと膨れ上がったベッドが動いたような気がした。見間違いか、と目を凝らすも視界が暗くて見にくい。
カーテンを開ければ太陽の光がジゼルの部屋を容赦なく照らし、一気に部屋の視界が明るくなる。テーブルの上に淹れたばかりの紅茶を置けばカチャリ、となる小さな音にまたもやベッドが動く。
そして暫くしてベッドから顔だけを出したジゼルと目が合う。眠そうにして金色の瞳を擦っているジゼルはリヴァイの姿を捉え、目を見開く。
「え?え?どうしてリヴァイ兵士長が、」
「お前が手を離さなかったんだろうが、おかげで体が痛ぇ。」
「えええっ、…すみません。あの、紅茶を?」
「…ああ。」
スカイブルーのように透き通った青色が揺れる。
「……バタフライピーか。随分と洒落た茶葉だな。」
「ふふ、ピクシスさんがエルヴィン団長に贈ってくれた物なんです。茶葉集めにハマっていた時、ピクシスさんがよく色々な茶葉を贈ってくれたので。でもバタフライピーは初めて飲みます。」
「あのジジイも余計な世話を焼きやがる。まあいい。これを飲んだらさっさと着替えてこい。仕事に遅れる。」
「はいっ!」
ジゼルは金髪の髪をきゅっ、と後ろで結ぶとリヴァイの前に座る。バタフライピーの綺麗な色に吸い込まれそうになりながらもリヴァイが淹れてくれた紅茶を口に含んだ。
25人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:るかこ。 | 作成日時:2020年4月30日 13時