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「?」
じーっとこちらを見詰めるリヴァイにジゼルは首を傾げた。リヴァイに駆け寄るとリヴァイは何も言わずにジゼルの金髪を指で掬い眉根に皺を寄せる。そこにいつもの艶やかな髪はそこにはなかった。
壁外調査から帰ってきたばかりだから当たり前っちゃあ当たり前なのだが、艶を失い所々絡まったジゼルの髪を指で通してみるも、引っかかる。
「リヴァイ兵士長?どうかしましたか?」
「風呂に入れ、早急に。」
「へ?」
「お前、
「……?はい、一応ありますけど…。」
「そうか。」
「……?」
「念入りに解いておけ。」
「……?」
「返事。」
有無を言わさないリヴァイの瞳に肩を上げこくり、と大きく頷いたジゼル。だがリヴァイはそれが気に食わなかったのか面倒臭そうにジゼルを見下ろすと、返事、と再度ぶっきらぼうな声を落とす。
「はいっ。」
裏返った声にも反応せず、リヴァイはジゼルの返事を聞き終えると満足したように小さく頷いてエルヴィンとハンジが消えていった扉へと去っていったのだった。
「……なに?」
残されたジゼルは自分の髪を指で掬い、小さく顔を顰める。一体どういう事だろう、もしかして、臭かったのかなぁ、と自分の髪を嗅いでみるも臭いはまだマシだった。
いくら考えても答えは出そうにもないし、何よりも疲労が勝ってしまい考える事をやめた。……お風呂、入りたいかも、とジゼルは汗でベタつく肌に息を吐きながら足を動かした、その時。
「ジゼルー!ちょっといい?」
後ろから猛ダッシュで突進してきたハンジさん。バランスが取れずハンジさんの腕の中にすっぽりと埋もれば、わあ可愛い、と目を輝かせたハンジさんに慌てて頭を下げた。
「そんなに固くならなくていーって、ジゼル。さっきちょっと盗み聞きしちゃってさ、ほら、リヴァイって口下手じゃん、そしてもれなく表情が変わらないから尚且つ分かりにくい。」
「え?」
「盗み聞きしてた私がモヤモヤしちゃって。ジゼル、リヴァイが言いたいことわかった?風呂に入れって言われてたでしょ?」
「……はい。言われました。あの、やっぱり今のあたし臭いですか?」
自分で聞いてて嫌になる。まさか、本当に臭う?
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作者名:るかこ。 | 作成日時:2020年4月30日 13時