Settlement ページ20
和解
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暗転
閉ざされた瞼を開くと広がる雪景色。
前回同様、ちゃんと戻ってこれたのだという安心感に胸を撫で下ろす。
今度は選択を間違えないように。ちゃんと振り返る。
そう意志をかため、雪の上を歩いてゆく。
あまりの寒さに足の指先がジンジンと痛む。前回も同じだったから我慢はできる。
前回の光線に打たれた時と比べたら、こんなのどうって事ない。
ただ淡々と進んでいき、折れ枝が落ちているあたりを越えたくらいの時のこと。
パキッと後ろから枝を折るような音が聞こえた。
これも前回と同じ。やはり振り返っても前回通り誰もいない。
もうすぐだな…。と思いつつ少しずつ雪の中から現れるアーチを眺める。
次はちゃんとすぐに振り返らなければ。あの光線を避ける。
よし、計画は完璧だ。
そう心のどこかで自画自賛しつつアーチの方へ向かう。
「おい人間。」
突然背後からかけられた声にビクリと肩が跳ね、凍りついたように足が止まった。
「初めて会うのに挨拶も無しか?こっちを向いて握手しろ。」
背後の低い声に、この命令に従わなければどうなってしまうか?怯えながらも、ゆっくりと後ろを振り向き、差し出された手を恐る恐る握る。
ブ〜〜。
「…へ?」
思いもしなかった音と感覚に、恐怖のため瞑っていた目を開け、手から今いる人物の顔へ視線を向ける。
何やら前回と違い変化が起こっているようだ。
「heh、驚いただろ。ブーブークッション仕込んどいたんだ…って、どうした、泣くなって…。そんなにオイラのおもてなしが怖かったのか?」
そう言われ、頬に涙が伝っていることに気づく。
殺されなかった安心感から故か、涙が出ていたようだ。
「大丈夫です。すみません。」
指で目から溢れた涙を拭き取りながらそういう。
「それならいいか。おっと、自己紹介が遅れたなオイラはサンズ。ごくごく普通のスケルトンさ」
スケルトンのモンスターもとい、サンズさんは何も無かったようにポケットに左手をしまい、「案内するぜ」とアーチを潜って行った。
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今日のジェノ氏からの一言。
愛してるって言って欲しい?言わねぇよ。
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ルルの苗木 (新垢)(プロフ) - まどれーぬ。さん» ふへぇ…、ありがとうございます!こちら少し更新を停止させて頂いてますが、悪女の方が完結致しましたら更新続行致します。よろしくです。 (2022年9月8日 19時) (レス) id: 08def29628 (このIDを非表示/違反報告)
まどれーぬ。 - やっぱいいなぁ........大好き! (2022年9月8日 18時) (レス) @page13 id: c48fab580c (このIDを非表示/違反報告)
ルルの苗木 (新垢)(プロフ) - ♪Smiling demon♪(夜猫ラテ)さん» ありがとん(^◎^) (2022年8月6日 17時) (レス) id: 08def29628 (このIDを非表示/違反報告)
♪Smiling demon♪(夜猫ラテ)(プロフ) - Oh、新作が出ているじゃあないか!お気に入り登録♪ハート♪高評価っと! (2022年8月6日 13時) (レス) id: f31f28abdf (このIDを非表示/違反報告)
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