極度の対人恐怖と悪女さん。【AU】 (ページ4)

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・ケチャside

今日はセリーナにAに呼び出されたから来て欲しいと言われてどこかのAUのスノーフルへ来ていた。

自分の世界とは違い、誰もおらずしんとしたスノーフルに若干違和感を感じながらもセリーナの話を聞いていた。

Aから殴られたこと。蹴られたこと。カッターで切りつけられたこと。悪口を言われたこと。沢山のAが行った悪事を聞いた。

いつも会う時はモンスターが…いや、他人と関わるのが苦手なのかおばさん(トリエル)以外が話しかけようとすると『ひッ』と声を漏らし顔を青ざめてその場から離れようとする。そんなAがそんなことできるのだろうかと思うのだが、まあいつも見かける姿は演技なのだろう。

オイラたちが話しかけようとすると、顔を歪め目を泳がせながらでもちゃんと聞こうとしてくれた奴だ。

気にかけて欲しかっただけだろう。

最初はオイラ達もちゃんとAのことを気にかけてた。直ぐに息が荒くなって倒れそうになったり、吐きそうになってるやつだ。

だけどそれに慣れちまってからは、おばさん以外はだれも気にかけやしなくなった。みんなめんどくさくなっちまったんだろう。

オクトパスなオイラは負の感情とかなんとかを集めるためによくAのところに行っていたようだが…。

どうせ演技だからポジティブしか得られなかっただろうがな。

ザクッ…と雪を踏みしめる音が聞こえる。

Aが来たようだ。

その姿を見たセリーナはぴくりと肩を動かし

「みんなぁ…！セリーナ怖いよぉ！また痛いことされちゃう！」

と言う。

それを聞いたAは、まるで何かを堪えるように顔を歪めた。

インクは怖がっているセリーナを安心させようと「守ってあげる」と言う。

ま、オイラたちがいる限りAはセリーナに手を出せないだろうけどな。

今までの事を謝って欲しいと話す決心が着いたのか、セリーナは少しずつAに近づく。

ここで手を出したり悪口を言ったらオイラ達がやり返してやる。

……？何かがおかしい。１歩２歩とセリーナがAに近づくにつれ、Aは少しずつ息は荒くなりまるで近づくなと言うような目をしている。

その時だ。Aの体がふらりと揺れたかと思うと、Aは倒れるようにしゃがみ込んだ。