検索窓
今日:4 hit、昨日:37 hit、合計:6,893 hit

episode 41 ページ5

「ラスト1本でーす」
「Aちゃん」
「あっ♡潔子さん♡」

ランニングのタイムを取っていると、愛しの潔子さんに話しかけられた。
後ろにはやっちゃんもいる。

「烏野の方は大丈夫ですか?」
「こっちは二人いるから大丈夫。ごめんね、一人で任せちゃって」
「モーマンタイです!」
「流石だね。仁花ちゃん、Aちゃんは仁花ちゃんと同い年だけど、中学の頃からずっとマネージャーをやってるし、その頃から青城の人たちと関わってるから慣れてるんだ」
「なるほど…信頼ってやつですね」

感心したようなやっちゃんに、得意げに笑って見せる。

そのせいで妹みたいな扱いなんだけれども。

「こっちは大丈夫ですから、お二人は烏野のサポートお願いします」
「そう?ごめんね、ありがとう」
「潔子さんに労わってもらえたら何日でも寝ずに働けます!白鳥沢は明日の昼頃に到着ですよね?それまで頑張ろうね、やっちゃん!」
「シャチっ!!」

潔子さんは微笑んで、やっちゃんを連れて烏野の方へ戻って行った。
今回、参加人数が一番多いのは烏野だ。地元だから仕方がないことだけれど、それを慣れていないやっちゃん一人に任せるのもしのびない。それに、そんなやっちゃんを慣れていない他のバレー部につけるのも。

そこでこの私だ。

暫くすると、走り込んでいた人たちが戻ってくる。

「お疲れ様でーす。タオルと水置いてるので、取って行って休憩してください」
「俺タイム縮んだ?」
「二口先輩は……25秒ほど縮んでますね。凄いです」

私の手元を覗き込んできた二口先輩は、満足そうに笑った。

「Aちゃん、マネージャー慣れてるからやりやすい」
「口説いてます?」
「俺が口説くならこんなもんじゃねーよ」
「あっはっは!!工業高校がなんか言ってる〜」
「おい!工業高校だって女子いるからな!!」

二人で戯れていると、じっとりと視線を感じて振り返る。

及川さんがかなりの形相でこちらを睨みつけていた。

「……ねー、岩ちゃん。なんかあいつ馴れ馴れしくない?」
「見苦しい嫉妬だな」
「はあ!?違うんですけど!?Aは男慣れしてないから変な男に騙されないか心配してるだけだし!」

……全部聞こえてるっつの。

二口先輩も、それを見て苦笑いを浮かべる。

「何あれ、Aちゃんのママ?」
「その隣はパパです」
「それでも良いから帰ってきてよA!!」
「あー、うるさいうるさい。私は今日は伊達工のマネでもあるんですからね」
「浮気者ー!!」

めんどくさい彼女みたいなこと言い出したな…。

episode 42→←episode 40



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (40 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
189人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:松々先輩 | 作者ホームページ:http:  
作成日時:2024年2月28日 19時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。