27話 ページ27
「あんた、早よ出んかったら開店間に合わへんで」
「うわ、もうこんな時間なん?」
「ゆっくり食べすぎや」
朝食を味わって食べてくれるんはええんやけど、味わいすぎや。お店7時には開けるんやろ、とグダグダご飯を頬張る宮を急かす。
寝癖も全然直ってへんやん、手ぇかかるガキンチョか!
ほな行ってくるで、と眠そうな目を擦りながら下に降りていく宮を玄関のドアが完全に閉まるまで見送った。
…じゃ、アタシも仕事にかかろうかな。
まずは洗い物、その間に洗濯機を回しておく。
今日は天気予報によると快晴やし、乾燥機回さんでそのまま干した方が倹約やな。
家中から洗濯物を集めて一気に突っ込む。毎日やっとるからか、服類はいつも少なめ。
まぁ宮もアタシもあんまり服に頓着せんからな、服も少なめやし。
それでも宮はオシャレやったなぁ、と頭の隅で考える。
ピ、と洗濯ボタンを押してそのままキッチンへ向かい、テーブルに置いてある食器を下げてシンクへ積み上げる。
宮、やっぱよーさん食べるな。あんだけ作ったのに、ピッカピカやん。
食器を片付けてついでにシンクも洗い、洗濯物も取り込んだ。
ピピーッと洗浄完了を知らせてくれた洗濯機から洗濯物を取り出して、それを全部干し終えた頃には12時を少し過ぎていた。
今日は若干時間かかったな…。
専業主婦って、こんな感じなんかな。毎日同じことの繰り返しで、凄いなぁ。
とりあえず軽い昼食を作りながらニュース番組を聞き流す。あ、今のアナウンサーの声、宮に似とった。
昼食を食べ終わった後、またそれを洗って取り込んだ洗濯物を畳み終える。
…宮の服、ほんまデカいわ。流石180cm後半はちゃうな。
そう言えば、一度スナに毎日家事ばっかりでしんどくないの?と聞かれたことがある。
アタシの答えは単純で、ブラック企業よりだいぶマシ、と言うこと。
やってることは学生時代の合宿中より断然忙しくはないし、なんなら何十倍もやさしい。
そんなんで養ってもらうんやから、アタシ幸せもんやな。
「さて、と…洗濯物は終わったし〜…」
デカめの独り言を呟きながら掃除機を持つ。一日中テレビ以外の音無音とか、アタシやってられへんからな。
一通り掃除機をかけ終わってソファーにドカッと座り込む。
普段から掃除してるし、あんまりするところ無いねんなぁ。
今日の仕事終わったし、とりあえず夕飯作る時間までテレビでも見よ。
そう思ってテレビをつけると、どうでもいい話の討論会が中継されていた。
宮やったら、どう思うかな、なんて。
アタシ今日1日、宮のことばっか考えとる。
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松々先輩(プロフ) - のんさん» ありがとうございます!!最近私生活も落ち着いてきたので、今日更新予定です! (8月5日 17時) (レス) id: 480ed93775 (このIDを非表示/違反報告)
のん - 久しぶりにこの神作品開いたけどやっぱり神作!!主様のペースでゆっくり更新続けて欲しい!!まぢ応援してます!無理は禁物!! (7月31日 11時) (レス) @page45 id: 7e78e362e0 (このIDを非表示/違反報告)
松々先輩(プロフ) - 雷さん» 大丈夫です。ありがとうございます頑張ります! (2022年8月12日 10時) (レス) id: 0b2f636a57 (このIDを非表示/違反報告)
雷 - 松々先輩『ありがとうございます頑張ります』が癖になってますけど大丈夫ですか? (2022年8月12日 10時) (レス) @page5 id: 1c759860fa (このIDを非表示/違反報告)
松々先輩(プロフ) - のんさん» ありがとうございます!頑張ります (2022年8月7日 0時) (レス) id: a6e4fce6a1 (このIDを非表示/違反報告)
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