28話 ページ28
ある日の休み。今日は宮も店は開かんらしく、朝8時からソファーでゴロゴロしとる。
普段働いとるからゆっくりしてください、と言ったアタシやけど、とりあえず掃除機かけるからそこどいて欲しいわ。
そこどき、と言いながらもガンガン掃除機のヘッドをぶつける。
こんなとこ宮兄弟ファンに見られたらマジで血祭りどころちゃうな…。
「腹減った」
「あんたさっき食べたばっかやろ」
なにほざいとるんや、と言いながらキッチンのコンロ周りとか、いつもはあんま掃除せん場所を掃除する。
油汚れがすごいねん、お風呂もカビハイターしてから流して、拭いて…。
日曜は普段より仕事多いわ。まあそれが主婦の日曜やな。アタシ主婦ちゃうけど。
この汚れ手強いわ、と言いながらテレビの漫才を楽しむ宮の背中を見る。
…背中、意外ちゃうけどやっぱり広いな…変なとこで雄を感じるわ…。
って、アタシ変態みたいやん冗談キツ。
ここが終わったら次お風呂で、その次洗濯物で…あぁ、あと洗面所もやっとかな。
「なぁA、腹減った」
「え?あ、もうそんな時間なん?待ってや、ここ終わったらすぐ作るから。あ、良かったら冷蔵庫から肉出しといてや」
今日はローストビーフ作るからな、と言いながらお風呂のカビとタイマンする。
知っとった?ローストビーフって、案外簡単に作れるんやで。
おん、と言った宮は、何故かしばらくカビと戦っとるアタシを見つめてからキッチンへ向かう。
なんや、カビと戦っとるんそんな珍しいか?
カビに勝ったアタシは、シャワーで泡を流して軽く雑巾で水気を拭い、換気扇を回す。
これでカビは生えてこーへんはずや。
宮の家のお風呂場、壁一面タイルやからカビと格闘できるわ、ほんま腕筋肉痛。
「肉常温なったー?」
「おん…あ、タレの用意も出しといたで。それであっとる?」
えーっと…あぁ、あっとる。
流石〜、食べ物好きなだけあるわ、と言いつつ準備を始める。
ローストビーフ…実はな、ジップロック使うねん。
ローストビーフだけやったら足りへんやろうし、他にもいろいろオシャレなん作るかー。たまの休みやし、一週間にいっぺんくらいオシャンティーなもん食べてもバチ当たらんやろ。
せやな、ムニエルとか作ってみるか。
そう思いつつ冷蔵庫と相談していると、後ろからすっごい視線を感じた。
「…なに、なんかリクエストでもあんの?」
「いや、Aの飯美味いしなんでもええ」
「じゃあなんなん」
不思議に思って宮に向き直ると、宮はいつも通りの顔で口を開く。
「なんか、お嫁さんみたいやな」
「…えっ?」
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松々先輩(プロフ) - のんさん» ありがとうございます!!最近私生活も落ち着いてきたので、今日更新予定です! (8月5日 17時) (レス) id: 480ed93775 (このIDを非表示/違反報告)
のん - 久しぶりにこの神作品開いたけどやっぱり神作!!主様のペースでゆっくり更新続けて欲しい!!まぢ応援してます!無理は禁物!! (7月31日 11時) (レス) @page45 id: 7e78e362e0 (このIDを非表示/違反報告)
松々先輩(プロフ) - 雷さん» 大丈夫です。ありがとうございます頑張ります! (2022年8月12日 10時) (レス) id: 0b2f636a57 (このIDを非表示/違反報告)
雷 - 松々先輩『ありがとうございます頑張ります』が癖になってますけど大丈夫ですか? (2022年8月12日 10時) (レス) @page5 id: 1c759860fa (このIDを非表示/違反報告)
松々先輩(プロフ) - のんさん» ありがとうございます!頑張ります (2022年8月7日 0時) (レス) id: a6e4fce6a1 (このIDを非表示/違反報告)
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