15話 ページ15
「なんやこれ。あっ……」
ダブルベッドの枕元に置いてあった籠が気になって中を覗くと、その中には言わずもがなアレが入っとった。そっと直しといた。
せや、今まで泡が楽しくて忘れとったけどここラブホやん。うける。
とりあえずコーヒーでも飲もうかと思ってキッチンへ向かう。簡易的やけど使えへんこともない。
「あっつ！うんま！なにこれ」
忙しいやつやな、とはよく言われるけど確かにアタシ
でもホンマに美味しいわ、このコーヒー。何杯でも飲めそう。
せや、宮のも用意しといたろ。
「上がったでー。あれ？A？」
「あ、宮こっちこっち。このコーヒーめっちゃ美味しいねん。だから宮にも…」
「……なぁ、A」
「なに？」
コーヒーのカップが熱くて持ってこられへんかったことそんな怒る？ってレベルで宮がアタシを睨んでる。
なに？ともう一度少し小さい声で聞く。なぁその顔でこっち見んで？アタシ宮侑が苦手な理由、初対面で睨まれたからや。同じ顔の男が睨まんで？
そういやなんであのときアタシ宮侑に睨まれたんやろ。なんもしてへんかったやんな？あっ、北さんと話しとったからか？マジかよメンヘラか？
過去を遡ってなにが悪かったんか探しても何も見つからへんってことはそー言うことやろ、と自己解決したところでかなり追い詰められてることに気づく。
ちょお待ってマジ怖いで。アタシ150cm台やで、優しく接して。
「…お前、短パンは」
「え？あんなんいらんやろ、こんなデカいのに」
それに長風呂しすぎて、熱かったし…。
なんでそないに怒ってるん？と訊こうと思ったけど、その前に宮が動いた。
肩を掴まれて後ろに押される。軽い力なんやろうけど、アタシはベッドに座り込んで。
目の前に宮の顔があって、息を飲むくらい綺麗な目をずっと見つめてまう。
な、に…。
「A」
静かな声で名前を呼ばれたはずやのに、ビクッと体が反応した。
なんでそんな目でアタシのこと見てるん？
そのまま体を後ろに倒されて、柔らかい布団がアタシを包み込んだ。
顔の横にある手と、そこから伸びとる長くて筋肉質な腕が牢屋みたいにアタシを閉じ込めてる。
逃げられへん。
「俺かて男やねん」
そう言った宮は、アタシから目を逸らした。
…知っとるけど…まさか、アタシのことそんな目で見ると思ってへんもん。
そっとアタシから退いた宮は何事もなかったかのようにベッドに潜り込んだ。
次の朝には雨も上がって、宮も普通になっとった。
なんや、これ。なんか胸がキュってなる。
アタシ宮のこと好きなん…？
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松々先輩(プロフ) - のんさん» ありがとうございます！！最近私生活も落ち着いてきたので、今日更新予定です！ (8月5日 17時) (
レス) id: 480ed93775 (このIDを非表示/違反報告)
のん - 久しぶりにこの神作品開いたけどやっぱり神作!!主様のペースでゆっくり更新続けて欲しい!!まぢ応援してます!無理は禁物!! (7月31日 11時) (レス) @page45 id: 7e78e362e0 (このIDを非表示/違反報告)
松々先輩(プロフ) - 雷さん» 大丈夫です。ありがとうございます頑張ります！ (2022年8月12日 10時) (レス) id: 0b2f636a57 (このIDを非表示/違反報告)
雷 - 松々先輩『ありがとうございます頑張ります』が癖になってますけど大丈夫ですか？ (2022年8月12日 10時) (レス) @page5 id: 1c759860fa (このIDを非表示/違反報告)
松々先輩(プロフ) - のんさん» ありがとうございます！頑張ります (2022年8月7日 0時) (レス) id: a6e4fce6a1 (このIDを非表示/違反報告)
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