２話 「胡蝶の夢」 カラ松 ページ4
…今見ているのが現実なのか、それとも夢なのか。わからないくらいリアルなことってあるよな？
これはそんな話だ。
俺はその日も、何もない場所に立っていた。俺自体その場所に来たのは初めてだし、知らない場所だと思っている。
キョロキョロと辺りを見回していると、小さな鈴の音が耳に入ってきたんだ。
こんな真夜中に鈴の音…？
いや、別におかしいことじゃない。普通はな。でもその夜に、明るいはずの都会の街を徘徊している人は誰一人いなかった。
どんどん近づいてくるんだ、音が。
「…誰かいるのか？」
そう声をかけると、鈴の音はピタリと止み、またしばらくすると音が聞こえた。
だんだんと薄気味悪くなった俺は、とにかく人を探そうと街を歩き回る。鈴から逃げたかったのかもしれない。
不思議なのは、いくら歩き回っても人がいないことだ。
「ッ…誰か…！」
叫んでも返ってくるのは鈴の音。
…鈴？
まさか、こっちは全力で走ってるんだぞ。振りきれないなんてこと…。
リンッ
「ッ…」
すぐ耳元で音がした。
見てはいけない。そう思いながらも見てしまうのは、人間のサガなんだろう。
そちらを見ると、顔の半分がない、傘に鈴を付けた女がニヤリと嫌な笑みを浮かべて、雨ではない何かを滴らせながら立っていた。
「ッ…うわぁああぁあぁぁああぁ！！！」
走ったさ、どこまでも。
そして、俺は気づいてしまった。
ずっと、同じところを走ってないか…？
そしてまた、耳元で音がした。
リンッ
「ッ、はっ…」
夢…か？
顔に貼り付く髪をかき上げ、荒くなっている息をゆっくりと元に戻していく。
そして俺は、また違和感に気づいた。
横に誰もいない。
…おかしい、どうして…？
そっと横を見ると、誰かの膝が目に入った。でもそれは、俺たちの着ているあのパジャマの色じゃない。
白くて、ところどころ赤黒い…。
……これは、そもそも人なのか？
brotherじゃない、だとしたら…誰なんだ？
試しに俺は、反対側を見てみることにした。
ドッドッドッとうるさい心臓を無視してそっと目を開ける。
そこには、不自然に破れたジーパンを履いている、片方無い足。
「ひっ…！？」
顔を上げると、俺の顔をジッと覗き込んで笑っている、女や男の様々な顔が。
そして、俺の上に跨がっていたあの傘をさした女が、ニタァ…と裂けている口を開けて笑った。
そこから俺の意識は無いんだ。
リンッ
……
「目が覚めたら、普通に朝が来ていたし、brotherもいたんだがな…」
まだたまに聞こえるんだ。
そう言ったカラ松はニコリと笑う。
３話 「トンネル」 おそ&貴 【おそ松】→←１話 「ぬいぐるみ」 速度&貴 【貴方】
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優凛~yurin~��(プロフ) - 松々先輩さん» 返信ありがとうございます！ (2019年10月15日 19時) (
レス) id: 00e9bf0ce5 (このIDを非表示/違反報告)
松々先輩(プロフ) - 優凛~yurin~�擦気�» リクエスト了解しました！素敵なCSSのリンクは１で貼らせていただいてます！ (2019年10月15日 19時) (レス) id: 0b2f636a57 (このIDを非表示/違反報告)
優凛~yurin~��(プロフ) - リクエストいいでしょうか・・？おそ松×夢主で、「トンネル」お願いします…！あと、CSSってどうなっているんですか？ (2019年10月15日 19時) (レス) id: 00e9bf0ce5 (このIDを非表示/違反報告)
松々先輩(プロフ) - 優凛~yurin~�擦気�» ありがとうございます！そう言ってくださると嬉しいです！頑張ります！ (2019年10月13日 23時) (レス) id: 884552bd5f (このIDを非表示/違反報告)
優凛~yurin~��(プロフ) - 続編楽しみにしてました・・！更新頑張ってください！怖いのに続きを読みたい…初めての経験です！ (2019年10月13日 23時) (レス) id: 00e9bf0ce5 (このIDを非表示/違反報告)
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