いや、私女子なんだけど。［４］

１６２話 ページ22

城間「遠足が終われば課外活動だな」
「課外活動？何するの？」
大門「興味のある分野を深く調べるためのゼミ。歴史と文化と、国際と自然があるよ」


へぇ〜、と話しながらルーを煮込む。
煮込む役は私、大門、城間、津田、などなど。

かなり知り合いが集まった結果になった。


神手「俺さぁ〜、自然に行きてえんだけどさ」


そう言う神手にみんなでうん、と相槌を打った。
みんなルーを見てるけど。

神手「地震ってどうやったら減らせると思う？」


その神手の言葉に固まったのはここにいる人たち全員。

いや、地震減らすって何？神手はその名の通り神にでもなったの？


神手「…そんな顔すんなよ。昨日妹に聞かれたんだよ。今授業で減災についてやってるらしい」
「妹さんね。減災って、第一次災害を防ぐことなの？」
柏木「それ不可能じゃない？だってまずさ、地震ってプレートとプレートが巻き込みあって、それが元に戻る弾みに起こる地盤の揺れの話だし」


うんうん、と柏木の言うことにみんな頷く。
じゃあさ、とまた話を切り出す神手。コレも妹さんに聞かれたことなのだろうか。

ていうかなんでその場で答え教えてあげなかったの。


神手「プレートの動きを止められるとすれば？」
野口「…プレートの動きは、その下のマントルの熱によって生じるんだよ？」
大門「つまり、プレートを止める＝マントルを冷やすってこと」


ほぉー、と感心したような声を上げる神手。
理科の授業で習わなかったかな？

そして、マントルを冷やすとどうなるのか。


美原「マントルを冷やすのは、地球にとって大きな害だぞ。細かい地震はなくなるっていうプラス面もあるけど、マイナス面も多いんじゃねえの。例えば、今まで体験したことのない程の規模の地震が起きたりするかもしれねえし…」
柏木「それに、地球の内部が冷え切るからね。生き物にも害はあるよ」
大門「大体さ、減災って、第一次災害を減らすことじゃなくて、第二次災害を減らすってことなんじゃないの」


その大門の一言で、確かに、と原点に戻った私たちは、昨日の夕飯の話に話題を戻したのだった。

ちなみに、私の昨日の夕飯はオムライスだった。
美原が喜ぶだろう。


「……地震ってさ」
野口「話題戻すんだ？」
「…怖いね」
大門「…Aって寿命以外で何しても死ななそうだから、大丈夫」
「それ貶してるの？褒めてるの？」


でも本当に地震って怖いよね。
まぁ防ぎようないから、第二次災害での被害者を一人でも減らすっていうのが減災ってことなんだろうけど。待ってそれ防災じゃねえの。


専門家に聞いて。

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