いや、私女子なんだけど。［４］

１６０話 ページ20

小田「最高の遠足日和だね」
「そうだね…日焼けしそう」
兒玉「まぁAの肌色白いしなぁ〜。俺なんて、5月から海行ってるから真っ黒だぞ」


確かに、兒玉は褐色で健康的な肌をしていると思う。
聞いて、私日焼けしたら赤くなって終わるタイプなの。痛いの。

しかし、それ以上に赤くなるだけの小田くんは長袖を着ている。暑くないのかな。


班ごとにバスに乗り込むのだが、各クラスの1、2班は1台目で、かなりうるさそうなバスだ。
次は3、4班。ここは意外と静かそうではある。
最後は5、6班。ここなんてきっと静かすぎて運転手さんが困るレベル。


そして私たちはバスに乗り込んだ。


私の隣はアルくん。
席はくじ引きで決まった。


「よろしくね、アルくん」
アル「ん、よろしくお願いします…」
「私、バレー部なんだ！アルくんは何部？」
アル「あ、えっと……び、美術部です…」
「そうなんだ！絵、好きなの」


私の知り合いに美術部がいなかったから、そう考えれば初かもしれない。
この持ち前のコミュ力で、アルくんと話をしていると、気づけば目的地に到着していた。

そしてアルくんともある程度仲良くなれた。


「あっぢぃ…死ぬわこれ、うわ汗疹できそう…」
美原「なんか、Aってただの女子じゃないよな」
「だってムカつく女いっぱいいるんだもん」


そりゃあいるだろ、俺もいる、とボソリと言った。
美原にムカつく女とかいるんだ。女は全員ウェルカムだと思ってたんだけど。

違うのか。


とりあえず、なだらか(とかお世辞にも言えないよう)な道を登る。


クッソ、来年は海来年は海…。


そう自分に言い聞かせて、かなり急な坂道を登りきった。
別に上に何があるとかはないんだけど、景色はいいよね。

疲れて見る余裕ないけどさ。


「あー、死ぬかと思った」
佐田「お前バテるの早いなぁ」
藤井「運動部だろー」
「お前、運動部は運動部でも私マネージャーだからな！」


マネージャーをお前らバケモンの体力持ってるやつと一緒にしないでくれない！？
それをこの、サッカー部とバスケ部と陸上部は……。

キョトンとするな。


美原「腹減ったな」
「お前変わんねえな」
柏木「いつでも腹減ってるしね」


そうなんだよ、こいついつでも腹ペコなの。
やばくない？胃袋どうかしてる。

今日はカレーらしいな、と話し続ける美原の話を聞く。

それ以外聞くことないしね。


美原「俺、心配なのね」
「？なんで」
美原「俺の班員、見ろよ」


そして私は察した。

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