いや、私女子なんだけど。【番外編】

IFの話 その二 ページ36

side風花


風花「ごくたま〜に思うんだけど」
長山「？」
飯島「何をです？」


ココは合宿所。マネ部屋だ。
今Aは潮、猪原と一緒に王様ゲームに参加させられている。

潮を犠牲に逃げてきた俺たち。部屋にいると思っていたAがいないことにびっくり。



風花「……Aが、妹だったらー…って……」
河瀬「お、お前……」
森山「え……ええぇ」
長山「……きっと可愛いんでしょうね」


可愛いどころじゃないと思う。
多分、もう一生家から出さない。俺が勉強教えて俺がバレー教えて、他人との交流を持たせないようにする。

軟禁する。


河瀬「え、でもそれしたら買い物とかどうするんだ？」
風花「買い物は…まあ、誰か同行で」
森山「え、外にも出さないんですか？」
風花「…それは可哀想だから、家の半径1km以内なら行ってもいい」


その間に何かあったらどうするんですか…？と言う飯島。

そうだなあ……。


風花「……攫ったり、ナンパしたりしたやつ全員ぶっ殺す」
飯島「物騒な先輩だねえ…」
森山「うん…確かにAちゃんのお兄さんになったら過保護になると思うけど…」


無自覚あざといだし、と言う森山もなかなの無自覚あざといだと思うんだが…。

え、でも待って。それ軽く犯罪じゃね？



風花「ヤバイ。俺Aが妹になったら犯罪者予備軍だ」
河瀬「あ、それ俺も」
長山「奇遇ですね、俺もです」
森山「飯島くん、僕らはあんな先輩にならないように気をつけようか…」
飯島「も、森山くん……」


ワイワイと騒いでいると、スッと襖の開く音が。

……ん？



「あ、えっと……なんか私の名前聞こえた気がしたんですけど…気のせいですかね」
飯島「Aちゃん！」


タタッと寄っていく飯島。

俺らはAの顔を見つめる。
やっぱ整ってんなー……。



「あ、そうだ！あの、先輩方もどうですか？今王様ゲームじゃなくて腕相撲大会とか、忍耐力勝負とかになってるんですけど…」
河瀬「……え、その為にわざわざ？」
「え？まあ、みんなでやったほうが楽しいですし！一緒にしましょう！ちなみに今総合で勝ってるのは長谷工ですね」


マネチーム作りましょうよ！とニコッと笑うA。

あ、ヤバイきゅんとした。



河瀬「そうだなー。ここで駄弁ってても仕方ねえし、行くか」
風花「……そうだな。長谷工のそうぜ」
「ちなみに私、今のところ神経衰弱全勝です」
猪原「Aつえーんですよ！！やっぱ賢いんっす！」


やっぱ妹より彼女が良いなー…。

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