いや、私女子なんだけど。

２５話※ ページ28

高野「久しぶり〜！で、アイツどうした？」
美原「あぁ、朝からあんなだぞ。１時間目の古文も、２時間目の日本史もあんなだったな」
高野「何があったんだろうな…」


大丈夫かー？と顔を覗き込んでくる男、高野。
高菜って呼ぶぞコラ。(八つ当たり)


やっぱり50m走でしたよ皆さん…。

もしかしたらって思って体操服に着替えたけど、やっぱり。

……死んでいいかな？


「死にたい…」
高野「重症だな」
佐田「まだヘコんでんのか…」


社会的に死ぬ…。

超ブルーな気分でラジオ体操をし、超沈んでいる心でスタートに立つ。

誰だよ、女子が最初に走るって決めたやつ…。



横に立つのは佐田で、佐田は体育委員なので私を一緒に並走する。


佐田「……あれ？」


何かに気づいた佐田は、私に声をかけようとしたけど、D組の体育委員がよーい、と声を発したので黙った。


さっさと走ってさっさと上着を着る。

大きすぎる目標を立て、旗が上がるのを待つ。

程よい緊張感に胸が苦しい。


旗が上がり、多分今までに一番速い速度で50mを走りきると、とりあえず上着を探す。


「嘘でしょ……」


上着無いんですけど。
in the タンスなんですけど。


佐田「おい、A…」


座り込んでいるとコソッと耳打ちする佐田。
その声に耳を傾ける。


佐田「お前今、ノーブラか…？」
「…………」


そうだけど、そんなこと聞くなよ。

だからデリカシー無いって言われるんだぞ。


今は何もいう気力がなく、暗い目をして佐田を見る。
黙れ、と言う意を込めて。



佐田「それでなんだが、俺の上着着るか…？」
「佐田……好き」



さっきの言葉全部取り消すね。

佐田はただのイケメンだった。


佐田「その代わり、今度ブラくれ」
「は？」
佐田「ごめん嘘」


はい、と手渡しで上着を渡してくれる佐田。

ありがたく受け取っておく。
っていうかデカイ。



佐田「………なんか、うん、そそるな」
「その口縫ってやろうか」


まぁもう脱ぐ気は無いのでそのまま着ておく。
……うわ、美原のあの顔。般若だよ。


あ、次美原の走る番？
あの顔で走るの？狂気じゃんか。


……って速！！あれが爆速って言うんだよ…。


ご、5秒6…と言う時計係の男の子の声と、記録係の子の手が震えている。

人間じゃねぇ…と佐田が言い、スタート地点に戻って行った。


小田「み、美原君速いよ！」
「小田もまぁまぁ速いけどね」


6.2だよ？
小田ってそう言うキャラだっけ。(困惑)

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