1話 ページ3
ピロンッ
明日は日曜日、という日。
浮かれながら宿題をしている私のもとに、一件の着信。
「?」
誰だ、と画面を覗いた私はぅゎ、と小さく声を漏らした。
“ 美原 ”
画面にそう表示された名前。
見て見ぬフリをしたいレベルで面倒なんだが、出ないとしつこいので何、とだけ返しておく。
あぁ、何か嫌な予感がする。
頭を抱えていると、ピロンッとお馴染みの音。
嫌々画面を見ると、明日暇?とのこと。
「明日……」
たまの休みだ。
休みたい。
お前に割く時間は無い、と返すと、すぐに既読がついた。どんだけ暇なんだ。
泣いているウサギのスタンプ。
美原がこんなスタンプ使っても可愛くないから。
既読スルーしようと携帯を置くと、ピロンッとまたメッセージが。
遊ぼうぜ!と表示されている。
コイツ小学一年生までやり直したほうがいい。文字読めてない。
立て続けに来るメッセージにイライラしながらも画面を見る。
美原『ほら、佐田と野口も来るからさ!』
いや、何の誘い文句よ。
行く気無くすわ。
『いっそう行かない』
美原『俺だけだと来るんだな』
『そう言った覚えもない』
可愛いとこあるんだな、とやはり文字が読めない様子の美原。
そして明日10時に学園前な!と一方的に言い残し、じゃあ今から俺風呂だから!といらん情報を残した美原との会話は途絶えた。
……行かなきゃ明後日面倒だよな…?
美原の面倒くささは折り紙つき。
拗ねると群を抜いて面倒。
はぁ、と溜息を吐き、明日に備えてベッドに入った。
ピピピピ…ピピピピ…
顔をしかめたまま起き、恨めしい目覚まし時計を止める。
はぁ、ともう一度大きな溜息を吐く。
ピーンポーン
「…こんな時間に誰?」
はい、ただ今朝の6時です。
ガチャッと鍵を開けると、むすっとした顔の佐田。
「……どちら様でしょうか」
佐田「はっ!?おい、待っ…ストップ!待て、ちょ扉閉めんな」
「…何よ、こんな時間に」
ドアを少し開けて佐田の顔を見上げる。
迎えに来たぞ、と言う佐田は、流石B組の目覚まし時計と呼ばれるだけある。
美原ね?と言えば、黙って頷いた。
アイツ、何なんだ。
佐田「来ないかも、とか言ってたから」
「…行かないって選択肢があるならそうしたいけどね」
ないな、とサラッと言った佐田。
苦笑いしか浮かんで来ない。
まだ着替えて無かったので、佐田を玄関に上げて着替えに行く。
佐田「手伝ってやろうか」
「結構です」
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松々先輩(プロフ) - miyuiさん» ありがとうございます☺️嬉しいです!が、睡眠はしっかりとってくださいねw (2021年12月7日 0時) (レス) id: a6e4fce6a1 (このIDを非表示/違反報告)
miyui - 夜中、腐女子が(関係無い)布団の中で隠れながらこの小説を読む…あっ、午前2時だ明日学校どうしよう…宿題やってない…終わったああああ(つまり時間忘れるほど面白いってことです) (2021年12月6日 23時) (レス) @page20 id: 5e526ca5d2 (このIDを非表示/違反報告)
松々先輩(プロフ) - らっぴょこさんさん» ひぃ……ありがとうございます!!嬉しいですー!!これからも頑張ります! (2020年9月14日 14時) (レス) id: a6e4fce6a1 (このIDを非表示/違反報告)
松々先輩(プロフ) - おにぎりさん» 良いですね、彼氏いらっしゃるんですね……私の元カレは美原って名前でした (2020年9月14日 14時) (レス) id: a6e4fce6a1 (このIDを非表示/違反報告)
おにぎり(プロフ) - 私の彼氏も岩本です。運命ですね (2020年9月14日 4時) (レス) id: 6f3eaef604 (このIDを非表示/違反報告)
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