２５話 ページ27
「…恋が自分のために頑張ることで、愛が相手のためのものなんじゃない？」
「…お前にしちゃ良い答えだと思うぞ」
「どういう意味よ」
ムッとして帰ろうと立ち上がると、手首を掴まれて突っ張る。
カラ松を見ると、まだ行かないでくれ、とへにゃっと笑った。
この笑顔に弱い。
「……寒いし、上着…」
「これを着てくれ」
「え……」
バサッと被せられたカラ松のカーディガン。
なんでこんなもの持ってんだ、と言うとイカしてるだろ？とカッコつける。
「へぇ…そうね、カラ松が着たらかっこいいかも」
カラ松の顔を覗き込んで怪しく笑って見る。
これで少しでもときめいてくれたら、良いなって思いながら。
「そ、それはずるいぞ…A……」
少し顔が赤い気がするカラ松。
……やっぱり、好きだなぁ……。
でもこの気持ちは悟られちゃいけない。
悟られて、私も認めちゃえば、私達はいい劇はできなくなる。
それがわかってて、私は恋を認めない。
気づけば二人は、喧嘩している。
一番悲しいけど、一番嬉しくて、丁度いい距離。
これじゃダメだってわかってる。
恋愛の方は、これじゃダメ。
でも、私は演劇をするために演劇部に入った。
なら、高校時代はずっと演劇に注ぐ。
そう決めたんだ。
「あなたのせいよ、カラ松」
「は？」
短く声を漏らし、私を見つめる綺麗な目。
その目を見つめて、私は言った。
「私はあなたが大嫌い」
ベンチからスッと立てば、今度はカラ松は引き止めなかった。
そのかわりに、ずっと夜景を見て固まっている。
私の頬を伝った涙が、カーディガンを濡らした。
「おはよー！…A、顔色悪いわよ？」
「あ、あぁ…大丈夫。うん、大丈夫よ。おはようトト子」
二日後。テスト返却日。
うちの学校の先生は仕事が早いことで有名だ。(なんてったって学校中のテスト採点を回収したその日に片付けるんだから)
90越えしてるかどうか、気になって眠れなかった、と伝えると、それだけ？と可愛く訊かれる。
「……それだけ」
「そう。Aは素直じゃないわね」
ふふ、と笑った彼女の笑顔は輝いている。
カラ松が好きになるのもわかるかも…私だって男だったら好きになってたわ。
「よっしゃ！！！」
「そこ二人うるさいぞー、ま、頑張ったな」
担任から返されたテスト。全て90越えである。
流石私、わいでぃーけーだもんね！
「……これで、劇の練習に打ち込めるな」
「えぇ、そうね」
それでも納得できない私がいてしまう。
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松々先輩(プロフ) - 進撃のカラ松さん» いえいえ〜！こちらこそありがとうございます！あと1話、番外編がありますので、それまで気長にお待ちいただければ嬉しいです！ (2019年3月1日 7時) (
レス) id: 87a69031e6 (このIDを非表示/違反報告)
進撃のカラ松 - ありがとうございましたぁぁぁぁあ！！良かったです！！ (2019年2月28日 22時) (レス) id: 2a91d83e29 (このIDを非表示/違反報告)
松々先輩(プロフ) - るんこさん» いえいえ！！こちらこそ、読んでくださりありがとうございます！番外編もありますので、あと二話、よろしくお願いします (2019年2月9日 22時) (レス) id: 3db3ef1937 (このIDを非表示/違反報告)
るんこ(プロフ) - 完結お疲れ様でした！このなんとも言えない距離感がすごい好きで、しかも最後の方とか発狂しそうでした笑笑とても面白かったです！素敵な作品をありがとうございました！ (2019年2月9日 20時) (レス) id: 01dc95890b (このIDを非表示/違反報告)
松々先輩(プロフ) - よつ葉@原色松推し(´ `*)さん» ありがとうございます！！私もカラ松大好きです！あぁいうノリ好きなので嬉しいです〜！ (2019年1月6日 23時) (レス) id: 3db3ef1937 (このIDを非表示/違反報告)
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